沖縄よ! でぃぐぬ花日記

祖国は日本。郷土は沖縄。日本国を愛し、沖縄を愛する者として、発信していきます。

「ブーべの恋人」と山城議長の保釈

戦争末期のイタリアの或る田舎町。石造りの古い建物と舗装されていない道路。車が通る度に砂埃が舞う。そこに一人の若い男がやってくる。ブーべと言う名前のパルチザンである。殺された同志の家族を訪ねてきたのだが、そこで美しい妹、マーラと出会う。

マーラは両親と、年の離れた弟と一緒に暮らしている。父親は、パルチザンに好意を持っているが、息子を失ったことで母親はあまり良い顔をしない。ブーべを加えた家族の食事が始まるが、各人、一皿に味の薄いスープだけという貧しさだ。

ブーべはいつかまた来る約束をして帰る。マーラは外に出て彼を見送る。その時、あの懐かしいテーマ曲が流れる。二人に芽生えた純朴な愛を、言葉ではなく音楽で暗示する感動的なシーンだ。

筆不精のため、ブーべからの手紙はたまにしかこない。マーラの恋心は募る一方だが、ブーべに会うと、冷たい態度を装う。ブーべもしつこく愛を求めるわけでもない。若い男女によく見られる心理だ。マーラは気丈な娘で、ブーべは正義感は強いが淡白なところがある。

逢引きを重ねるごとに、恋心は深まり、家族の同意のもと二人は婚約する。そして、テーマ曲が暗示するように、運命は二人に過酷な試練を与える。

ブーべはパルチザンとして闘っている間に、人を殺し、そのため警察から追われていた。その追求がいよいよ厳しくなって、仲間の薦めで外国に一時、身を隠すことになる。マーラは一緒に連れていくようせがむが、一時的だし君のためだからと言い残して去る。

以後、ブーべからの音信は途絶え、孤独の月日が過ぎ去る。そして偶然、優しい真面目な男性と知り合い、彼と付き合うようになるが、ブーべのことを忘れることができず、相手の求婚を拒否し続ける。しかし、ブーべからの便りは無く、ついに男の強い情熱に押されて、結婚の約束をする。

そんなある日、ブーべが逮捕され裁判が開かれるという知らせが届く。ブーべに面会すべきか、それとも彼のために会わないほうがいいのか、マーラの心は激しく揺れる。これはぼくの勝手な推測だが、マーラがこの時妊娠していたら、おそらく彼女はブーべに会いにいくことはなかったに違いない。

マーラのブーべを想う気持ちは、まだ切れていなかったのだ。彼女は父親と一緒にブーべに面会に行く。久しぶりに向き合った二人は、ぎこちない会話を交わすが、それでもブーべが今も自分を愛していることを確信した彼女は、少しでもブーべの役に立ちたいと、証言台に立つ決心をする。

 しかし、彼女は緊張のあまり証言台でしどろもどろになり、彼女の証言が裁判に生かされることはなかったが、この体験は逆にブーべに対する想いを強めたように思われる。そして判決が下されるが、裁判官が判決を言い渡す場面はカットされているので、観客はその結果を知ることはできない。

そして最後の場面。マーラが汽車に乗るところを、かつて結婚の約束を交わした男が偶然見つけて、彼女のところへ駆け寄ると、マーラも彼に気づき、汽車のドアのところで二人が言葉をかわす。

「久しぶりだね、会えて嬉しいよ。どこへ?」「ブーべに会いに」

「よく行くの?」「2週間おきに」

「君は・・・。君はほんとうに強い。」「ブーべはもっと強いわ。7年も塀の中にいて、気力を失っていない。最近になってようやく将来を語りあえるように。」

 「あと7年待つのか?」「あっという間よ。7年経てば私は34歳、彼は37歳。まだ子供も産めるし、結婚だって・・あなたは?」

「ここで働いている。」「結婚したの?」

「ああ」「よかったわ、例の彼女と?」

「いや、別の女性だ。(間)元気で(チャオ、マーラ)。」「じゃあね(チャオ、ステファン)。」

暗い表情で男は去って行く。汽車が発車する。マーラの独白「短い時間だけどブーべに会える。14年と聞いたときは不安になったが、以外と平気だった。」テーマ曲がずっと流れる。

この作品を見終わってから、山城議長の保釈を知った。支持者の前で、彼がカチャーシーを踊るのを見て、「ブーべの恋人」とオーヴァーラップする感覚がぼくを襲った。時代も状況も全く異なるのにもかかわらず、何か共通するものを、ぼくの抑制の効かない感性が感じ取ったのだろうか?