翁長知事は今こそ「撤回」宣言を決断せよ!
県は、奥港の使用を許可すべきではなかった。岸壁使用申請に用する許可日数は通常だと、二週間程度と言われているが、今回、三ヶ月弱かかったのを見ると、できるだけ日数を引き伸ばした県担当者の苦労は理解できるが、それでもやはり、許可すべきではなかった。
「法理論上、認めざるを得なかった」と述べているが、おかしいと言わざるを得ない。不許可にすれば、政府が裁判に訴えるのは間違いない、それを避けるために許可せざるを得なかったとも述べているが、そんなへっぴり腰では辺野古新基地を断念に追い込むのは不可能だ。
翁長県政が、辺野古新基地阻止を政策の中心に据えているならば、きっぱりと認可を拒否して、それでも政府が県を訴えるならば、毅然と受け止めて、堂々と法の正当性を争うべきだろう。法律は石のように固定したものではない。あらゆる法律は解釈学的性格を帯びている。
だからこそ、検察と弁護士がいるのであり、裁判官が存在するのである。法律をどう解釈するか、その解釈の正当性は検察側の主張にあるのか弁護側にあるのか、明確にするために意見を闘わすのである。
県の担当者は、「港湾法」を安易に形式的に解釈した嫌いがある。そうとしか思われない。役人的発想だ。もうひとつ気になることがある。それは、この案件を翁長知事まで上げたかどうかだ。上げてないとすれば、職員の大きなミスだが、上げたにもかかわらず翁長知事が許可したとなれば、県民を震撼させるほどの重大事である、と言わなければならない。
許可すれば、その後の辺野古闘争がどう展開していくか、知事は予想できたはずだ。反対闘争のエネルギーは辺野古の現場と奥港に分散されるだろう。実際その通りになった。昨日、奥港に五十台のダンプカーが砕石を運んだ。奥部落の住民と駆けつけた反対派がダンプカーの進入を阻止するために腕を組みあって車道に寝転ぶ姿が見られた。
ダンプカーを止めるためにアスファルトの上で横になる高齢の人々!止むに止まれぬ思いで抵抗する高齢の人たち!
翁長知事はこの光景を目にして、自分が下した判断は正しかったと言えるのか。そうではないだろう。知事の心は大きく揺れ動いているはずだ。大いに反省しているに違いない。ことは急を要する。
翁長知事、今こそ「撤回」宣言を決断すべきだ。そして法律顧問団を今よりもっと強力な人材で固めることも考慮に入れるべきだろう。「あらゆる手段を尽くして辺野古新基地を阻止する」翁長知事の力強い言葉を、県民はまだ捨て去るわけにはいかない。
なお、昨日の奥港の様子を北上田氏が自身のブログ「チョイさんの沖縄日記」で多数の写真を使って詳しく報告しているので、是非多くの人に見てもらいたい。