沖縄よ! 群星むりぶし日記

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大阪維新の会の「大阪都構想」惨敗!これで維新の会の存在理由が消えた

反対票:69万2996票 賛成票:67万5829票

昨日実施された「大阪都構想」の住民投票は、1万7167票差で反対票が上回って否決された。5年前に続き2度否決されたことになる。文字通りの惨敗である。

松井一郎大阪市長は記者会見で、責任を取って任期終了後に政界を引退すると表明した。5年前は府知事として、橋下徹大阪市長(当時)と共に住民投票を仕掛けた本人である。

橋下氏は否決された結果を受けて、市長職を辞任し政界を去った。あれから5年、装いを新たにして、松井市長と吉村洋文府知事がタッグを組んで挑んだが、再び失敗に終わった。

維新の会は何故これほどまでに都構想にこだわり続けるのだろうか? それは都構想を実現させるために結成されたのが維新の会だからだ。つまり、都構想を実現させることが、維新の会の存在理由なのである。当然、実現できなければ、その存在理由は失われる。

そう考えると、今回の2度目の敗北は、大阪維新の会にとって致命的である。国政政党・日本維新の会にとっても致命的である。何故なら都構想を実現するために国政に進出し、法整備を準備する目的で結成したのが日本維新の会だからだ。

その存在理由を失った今、維新の会は解散するべきだろう。

では何故「大阪都構想」は敗北したのか。何故、大阪市民は都構想に2度も反対したのか、を考えてみたい。その一番大きな理由は、動機の不純さにある、とぼくは見る。

都構想実現のために結成した大阪維新の会の初代代表になった橋下徹府知事(当時)は、その目的を2011年に次のように語っている。

大阪市が持っている権限、力、お金をむしり取る」

大阪府知事大阪市の権限、力、お金をむしり取る、と言うのだ。なんと言う傲慢さ、なんと言う権力欲!自分がやりたい政治を成就するためなら手段を選ばない。動機が不純すぎる。

住民投票の公示前から大阪市に張り付いて、連日街宣で都構想反対を訴え続けた「れいわ新選組」代表の山本太郎は、毎回パネルを使いながら、橋下氏の不純な動機を説明していた。

ほとんどのメディアは山本代表の街宣活動を取り上げなかったが、直接市民に呼びかけた山本代表の果たした役割は、非常に大きなものがあったのではないかと思われる。

大阪府自民党をはじめ、多くの政治家、評論家が都構想に反対した。その中でも、山本代表の説明は、群を抜いて説得力があった。膨大な具体的データを見事にまとめ上げた論理構成。

YouTubeを見た人なら誰でも納得したはずだと思われるような、非常に分かりやすい説明だった。山本代表の解説を聞いた人の多くは反対にまわったのではないかと思われる。

山本代表が今回の都構想にこれほど危機意識を抱いて臨んだのは何故だろうか?

「維新の会」と「新選組」の政治理念は180度違う。「維新の会」は新自由主義的立場であり、緊縮財政派だ。「新選組」は反新自由主義、積極財政派である。

「維新の会」が考える都構想が実現すれば、政令指定都市大阪市は廃止され公的サービスは引き下げられる。しかもコロナ禍の最中だ、行政組織の編成作業には多くの時間と人員動員が必要である。そのため、コロナ対策が疎かになる危険性がある。医療崩壊が起きたら、医療従事者も住民も大混乱に陥る。

優先順位を考えると、今、都構想などやっている状況にはないのだ。「維新の会」には危機意識がない。政治を担う者として失格だろう。

だから山本代表は、活動費が赤字計上されるのを覚悟で、大阪市に張りついて連日、市民に都構想の間違いを訴え続けたのだ。その甲斐あって、「大阪都構想」は否決された。大阪市民は賢い選択をしたことになる。

今回の都構想騒ぎは、また、政党間に横たわる様々な問題点を白日の元にさらけ出してくれた。もともと都構想に反対だった公明党は、維新の会の恫喝で掌を返して賛成に回った。山口那津男代表は大阪市に入り、松井市長、吉村府知事と同じ宣伝カーに乗り込んで、賛成を呼びかけるという無様な姿を晒した。腐敗政党・公明党の恥晒しそのものだ。

しかし、良識ある創価学会員の約5割が反対に回ったようだ。自民党と連立を組んで以来、創価学会員の公明党に対する支持率は年々減少傾向にある。公明党の悪政が続けば、支持者はますます減る一方だろう。

さらに指摘しなければならないことがある。それは新自由主義についてである。維新の会の政治心情は、その出発時から間違いなく新自由主義である。強者だけが生き残る容赦なき競争社会。人間の価値を生産性で測るコストカット至上主義。

維新の会の創始者橋下徹松井一郎竹中平蔵と同じ新自由主義経済信奉者である。そして竹中氏をブレーンとする菅義偉総理大臣も新自由主義者である。そして松井氏と菅氏はじっこんの間柄だ。

そう考えると、「大阪都構想」の実態が見えてくる。新自由主義者、別名グローバリストのための改革。大阪市を廃止して自治体の権限を弱体化し、グローバリストが活躍しやすい環境を整える。IR(カジノ、別名賭博)構想はその一つである。

彼らに住民の福利・安定的生活は眼中にない。最大の関心は彼ら自身の利益のみだ。そのための改革を唱え続けたのが維新の会である。維新の会が大阪の政治の舵取りをして約10年。

皮肉なことに大阪市はその間、経済成長していない。維新の会が進めてきた改革は失敗だったことが証明されたのである。その結果、松井市長は責任を取って政界引退を表明したのである。「大阪都構想」は2度の否決で完敗した。

この冷厳な結果は、大阪維新の会日本維新の会に深刻な影響を及ぼすだろう。そして菅政権に対する影響も決して無視できない。盟友の松井氏の引退表明を菅氏は深く憂慮しているはずだ。菅氏は都構想が実現したら、公明党に加えて維新の会と連立を組むことを考えていた節がある。

しかし、菅氏の思惑は潰えた。これから国政の地殻変動が起きる可能性が強くなった。これまで勢力を急拡大してきた維新の会は、存在理由が消えた今後、衰退の道を歩むに違いない。

 

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