沖縄よ! 群星むりぶし日記

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底なし沼の野党再編劇

日本の政治家達の最大の欠点は、失敗の総括をしないことにある。大東亜・太平洋戦争の総括を、戦後75年経過した今もやる気配すらない。

失敗の原因を科学的論理的に詳細に解析して全体図を提示できないで、どうして将来の国家像を描くことができるか。一時的経済復興の陰で、国家百年の大計をおろそかにしてきた政治の怠慢は、ついに取り返しの効かないほど罪深きものになってしまった。

北方領土返還問題、拉致被害者奪還問題、経済成長ゼロの平成30年間、今も続く占領軍(米軍)の駐留問題。これらはすべて、大東亜・太平洋戦争の総括をしなかったことが原因だ。

恐ろしいことに、失敗を総括しない政治的体質は、今なお国会の至る所で続いている。立憲民主党と国民民主党の合併劇もそうだ。はっきり言って茶番である。まるで子供の遊戯のようなものだ。否、それ以下だろう。

最初は新しい党名をどうするかで数日間もめた。投票することで決着すると、次は消費税減税でもめた。減税派の玉木雄一郎代表は、これには妥協できず、合流しないことになった。

なぜこのような無残な結果になったのか?民主党政権時の失敗の原因の総括を怠ったからである。総括なき政治は何度でも転ぶ。与野党問わず75年前以来の怠慢が今も続いているのだ。

とは言いながら、自民党民主党の性格の違いも考慮する必要がありそうだ。政策ではなく性格の違い。民主党は党全体のバランスよりも個人の主張が優先される。党全体のまとまりよりも個人優先。だから分裂しやすいのだ。リベラルの弱点である。

自民党は、その逆。個人よりも党全体のバランスが優先される。個人の主張がどんなに突出しようが、絶妙なバランス感覚の中で維持されて、統一が保たれる。

かつて小沢一郎自民党を割って新生党を結成したことがあった。その勢いで小沢氏は細川政権を誕生させた。しかし小沢氏は個性が強すぎた。細川政権は短命に終わり、自民党社会党を飲み込んで政権に復帰した。

何がなんでも政権を握る、これが自民党の変わらぬ信念であり、自民党の強さの秘密である。個人よりも党の利益が優先される。だから小泉政権の時、郵政選挙で党を離れた議員が、その後自民党に戻ってきた時、「お帰りなさい」と言って快く受け入れることができたのである。

この太っ腹さが民主党にはない。自民党を大人とすれば、民主党は子供だ。幼稚である。さて、個人よりも党の利益が優先される政党として、自民党の他に共産党公明党がある。

しかし、2党と自民党の違いは、離党した議員に対する寛容度である。自民党は「お帰りなさい」。しかし共産党公明党も、離党者を徹底的に批判するのだ。原理主義的思想と原理主義的宗教。

自民党にはそんな無用で堅苦しいものはない。節操なき雑食。自民党政治をあれほど批判していた細野豪志長島昭久も今は自民党議員である。

自民党の核心は政策よりも政権である。政権を維持するためには何でもする。鈍感のようでいて、その裏側ではしたたかな計算が働いている。この自民党のやり方を学ばない限り、民主党の政権取りは永久に来ないだろう。

党よりも個人が優先される限り、民主党は何度も分裂を繰り返し、しまいには政治の舞台から雲散霧消するだろう。かつての社会党のように。

ぼくは自民党を称賛しているのではない。戦後、長期政権にあるにもかかわらず、大東亞・太平洋戦争の総括もできない政党に何を期待できるだろうか。

日本の政治は、今後ますます底なし沼へ落ち込んでいくだろう。怠慢と無責任の看板を背負いながら。