沖縄よ! 群星むりぶし日記

沖縄を、日本を、そして掛け替えのない惑星・地球を愛する者として発信していきます。

人生色々、右翼も色々だが、郷土を思うことには右も左もない

沖縄タイムスの阿部岳記者の手による反ヘイト記事が、今朝の紙面トップを飾っている。

ぼくは、タイムスを定期購読していないので『Osprey Fuan Club ネトウヨ対策課』の配信で記事の存在を知ることになった。手元に残しておきたいと思い、近くのコンビニで購入した。

阿部記者は、「シーサー平和運動センター」と名乗る団体について書いている。

千葉県から2011年に沖縄に移住してきた久我信太朗という人物が立ち上げたものらしく、14年から那覇市役所前でヘイト街宣を続けているという。

内容は吐き気を覚えるほど酷いものだ。

沖縄に旅行に来た中国人男性に追いすがりながら「ここはな、お前の汚い中国じゃないぞ。腐った中国、さっさと帰れ!」(久我信太朗、67歳)

あまりにも酷すぎる。勿論、街宣で自らの思想・信条を述べる権利は誰にだってあるだろう。しかし、見ず知らずの旅行者をつかまえて、出身国を罵倒した挙句、帰れ!と叫ぶとなると、あまりにも常識を逸脱した行為であり、到底容認できるものではない。

もし、中国を旅行する日本人をつかまえて、中国人が同じようなことをしたなら、本人はどんな気持ちになるだろうか?

反日、反中国の感情がお互いに醸成されるだけだろう。久我氏は阿部記者の取材に対して次のようにも述べている。

シナ人には不安になってもらいたい。歓迎していないことをわかってほしい

ネトウヨに特有の排除の論理まるだしである。久我氏もネトウヨの範囲をでない人間に違いない。

糞も味噌も一緒くたにする軽薄な短絡的思考癖の強い人物のようだ。

琉球・沖縄の歴史をまるで知らないようだし、沖縄に旅行に来る中国人は全員中国共産党の幹部と思い込んでいるのではないか?

ここで歴史における琉球と中国の関係を簡単に振り返ってみたい。かつての琉球王国は、中国と冊封関係を結ぶ間柄だった。中国との貿易は多大な利益を琉球側にもたらし島津藩をうらやましがらせたほどである(島津侵略の一因となる)。

そして注目すべきは、冊封関係とはいへ、その性格は友好関係であって、中国人が琉球人を抑圧したり殺害した史実は存在しない。

島津侵略以来、260年にも及ぶ島津の支配は、ヤマトゥンチュに対する不信感を琉球人に植えつけただけだが、中国に対する友好の感情が消えることはなかったのである。

この友好関係にあった琉球と中国の歴史は、中国政府に民主化を促す可能性を秘めているはずで、日本政府はこの沖縄に特有の特性を最大限利用すべきだろう。

しかし、今の米国べったりの空虚なる器・安倍晋三では無理だ。自公連立売国政権に代わる政権交代が実現した時、対中国カードとして大いに役立てるが良い。

不勉強で扇情的な久我信太朗のようなチンピラ右翼には思いもよらない琉球と中国の友好関係にあった歴史的事実が存在するのだ。

千葉から来て、沖縄で大きな顔をするのはやめたほうが良い。事もあろうに那覇市役所前でヘイトスピーチをするなんてもっての他だ。

さて、人生いろいろ、右翼もいろいろである。「シーサー平和運動センター」というふざけた名称のチンピラ右翼と違い、本物の右翼の言動は礼儀正しく歴史と真摯に向きあうその姿勢に対しては、聞く側も真剣にならざるを得ない。

右翼団体「花瑛塾」の存在は、安田浩一著『愛国という名の亡国』で初めて知った。

 

愛国という名の亡国(河出新書)

愛国という名の亡国(河出新書)

 

 

 「昨年、北部訓練場の一部が返還されました。これを基地の縮小だと述べる人もいますが、私はそう考えていません。これは明らかに基地機能の強化です!」

「私は沖縄の美しい海を守りたい。森を守りたい。子供たちが安心して生きていける沖縄であって欲しいと思っています」

「沖縄の痛みを理解したいと思う。戦争の傷痕、記憶に思いを寄せたいと思う。そして、基地のない島を目指す沖縄の人々に寄り添っていきたいと思います。どうか、一緒に考えていただけませんか」

「花瑛塾」の塾生の一人、仲村之菊(みどり)さんの言葉だ。彼女は沖縄に来て、辺野古の米軍基地にトラメガを向けて約30分間演説したのである。

「一般にイメージされる右翼とはかなり違いますね」と話しかける安田氏に対して「そうでしょうか。民族派としては当然の主張だと思います」と返した。

彼女は「大行社」に所属して右翼活動していたが、少し矛盾を感じるようになり、同志の木川智氏と一緒に「花瑛塾」を立ち上げた。

「そのひとつが沖縄をめぐる基地問題です。右翼は国体維持を主張しながら、沖縄に米軍が駐留していることに大きな関心を寄せていない。いまでも占領下にあるのと同じことではないですか。

民族派を自称するのであれば、他国の軍隊が日本に居座っていることに異を唱えて当然です」

「花瑛塾」の代表・木川氏は次のように発言している。

琉球処分以降、沖縄では常に地元の人々の意思がないがしろにされてきた。日米両政府に翻弄されてきた負の歴史も直視すれば、愛国者としての立場は自ずと定まります」

「多くの右翼は、結局のところ『反左翼』が活動の主軸になっていて、方向性が見えません。だから沖縄にも関心を寄せない。いや、それは右翼に限ったことではないですよね。日本社会全体が、沖縄に犠牲を強いている自覚がない。

米軍基地が置かれていることに疑問も感じていない。そのことが日本人のひとりとして許せないんです。郷土を想うこと、郷土の自然や人間を守りたいと思うことに、右も左もないですよね

これ以上引用すると、著者の安田氏に悪いのでこれで終わりにするが、興味のある方は是非購入して読んでいただきたい。

チンピラ右翼と本物の右翼の違いは明らかだが、特に沖縄に対してどのような主張をするかに注目すればその違いはより鮮明になるということだ。

花瑛塾」の皆さんに武士道精神を見るのは、はたしてぼくだけだろうか?

 

推奨サイト 

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Osprey Fuan Club ネトウヨ対策課 

三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」

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