沖縄よ! 群星むりぶし日記

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北海道独立か?沖縄も独立か?

北海道が独立?

勿論冗談だが、それだけでは済まされない問題が内在しているようだ。

というのも来月行われる予定の北海道知事選挙に立候補を表明した石川知裕氏は、選挙公約になんと北海道独立宣言を盛り込んだからである。

大胆すぎる。ワクワク感もある。しかし、石川氏の公約を検討すると、どうも本格的な独立論ではなさそうだ。石川氏は会見で次のように述べている。

「北海道が抱える課題の解決には国に依存するのではなく、私たちで考え、話し合い、決めていく決意を北海道独立宣言に込めた。豊かさの実現のために力の限りを尽くしたい」

英国のスコットランドやスペインのカタルーニャのように、独立の是非を住民投票にかけるのではなく、「課題の解決には国に依存するのではなく、私たちで考え、話し合い、決めていく」という常識的とも呼べるような内容である。

これでは普通の知事選となんら変わらない。それでも敢えて問うとすれば、何故「独立宣言」という過激な言葉を使ったのか、ということだ。

ここを外したら今回の石川氏が投げた命題の本質を見逃す恐れがある。

ぼくは、北海道が抱える問題・課題に詳しいわけではない。従って、乏しい知識で模索する他ない。

そこでまず考えられることは、慢性的な人口減少、経済の疲弊、北海道が歩んできた独自の歴史・文化に対する道民と本州人との意識のズレ、等々。

これらの諸要素が複雑に絡みあって、道民以外の人々にはなかなか理解できない課題として横たわっているのではないか、ということ。

経済の疲弊、人口減少は他の県にも同じように見られる現象だから、北海道の人々が歩んできた独自の歴史・文化に対する本州人の認識不足が、最も根源的なものであるように思われる。

しかし如何せん、ぼくはこの点についても知識が乏しい。だからあくまでも想像の域を超えない範囲内で考える他はない。

そこで多少似たような状況にある沖縄から光を当てることで、北海道の独自性について理解することはできないだろうか。

ぼくは生まれも育ちも生粋の沖縄人である。だから当然ながら琉球・沖縄独自の歴史文化について他県人よりは詳しいつもりだ。

その独自性は、多くの面で本土の歴史・文化と大きく異なる。沖縄人の感性・情念、行動様式も本土人とは異なる面が多い。

この事実が中央政府と政治的摩擦を生む最大要因になっている。恐らく明治維新以来、沖縄ほど長期間に渡って中央政府と政治的摩擦を繰り返してきた自治体はないだろう。

それは、辺野古埋め立て問題をめぐる県と安倍政権との闘争を見るまでもなく、今に至るまで継続している政治的課題である。

この沖縄の特殊事情を参考にすれば、北海道が抱えている特殊性が見えてこないだろうか?

つまり、沖縄同様、中央政府は北海道の独自性に対して、今まで真剣に向き合ってこなかった、という歴史的事実。この事実が長年にわたり道民の意識に反映されて本土(沖縄と同じように内地と呼ぶらしい)人と相容れない情念が形成された。

勿論ぼくの勝手な推測だが、少なくともそのように考えないと、独立宣言などという過激な言葉が知事候補の口から出てくるなんてことは、到底理解できないのである。

そして興味深いことにネットを調べると、北海道独立について多様な形で議論されてきたことがわかる。石川氏の北海道独立宣言は、決して突飛に出てきたような現象ではないのだ。さて、では我が沖縄はどうだろうか。

沖縄において歴史の節目節目で独立の声が出てきた事実は、琉球沖縄史について少しでも知識のある人なら承知のはずである。

一六〇九年の薩摩侵攻以前、沖縄は琉球王国という国際社会が認めた独立国だった。但しここで琉球沖縄史を長々と述べるつもりはない。

要点だけ指摘する。廃藩置県で王国の廃止が議論された時、士族を中心とした独立派が存在した。以来、沖縄独立は地下水脈のごとく流れて枯れることはない。

表に出ては地下水脈に戻り、また噴出する。詳しい系譜を知りたい方には比嘉康文著『「沖縄独立」の系譜』をお薦めしたい。

 

「沖縄独立」の系譜―琉球国を夢見た6人

「沖縄独立」の系譜―琉球国を夢見た6人

 

系譜には載っていないが、コザ市長を務めた大山朝常氏(故人)は『沖縄独立宣言』を著した。

そして龍谷大学教授の松島泰勝氏は『琉球独立論』を5年前に世に問うている。松島氏の独立論は理論的格式が高くラディカルである。

 興味のある方は是非読んでいただきたい。

琉球独立論

琉球独立論

 

松島氏は「琉球民族独立総合研究学会」を立ち上げて共同代表も務めている。関心のある方はホームページをご覧いただいて、内容を精査してみてはいかがだろうか。

「学会」の地道な活動は、沖縄の将来に大きな波紋を呼ぶことは間違いない。

さてこうやって手短に検討するだけで、沖縄の独立論がいかに根が深いかご理解いただけるものと思う。

問題は、北海道の独立にしろ沖縄の独立にしろ、何故現地人からその声が出てくるのか、ということである。

その最大の原因は中央政府の現地人に対する姿勢にある。

現地人に対して大嘘をつき、民意を無視し、民意を逆なでするような政治を行ってきた中央政府の姿勢に原因があるのだ。

もし仮に中央政府が他府県同様に、沖縄の人々に耳を傾ける真摯な姿勢があるならば、沖縄から独立論が出る理由などあるはずがない。

歴代政権の中でとりわけ現在の安倍政権は沖縄に対して、あまりにも冷淡で不誠実だ。その姿勢を改めない限り、安倍政権は国家統合に失敗するであろう。

沖縄は県民所得がまだ低いとはいえ、少しづつ実力をつけてきている。東南アジア諸国の目覚ましい経済発展を取り込んで、今沖縄経済は順調に推移している。

翁長知事が指摘したように、アジアが沖縄を離さないところまで来ているのだ。そこを踏まえて、玉城デニー知事は「誇りある豊かさ」を政策の基本に据え、沖縄の新時代を宣言した。

中央政府の理不尽さに抗いながら、ウチナーンチュは自信をつけてきている。復帰前とは状況が一変した。

にも関わらず、安倍政権が相変わらず沖縄をないがしろに扱うならば、近い将来、沖縄から日本政府に対して三下り半を突きつける可能性は大いにあり得ると言わねばならない。

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