沖縄よ! 群星むりぶし日記

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「3択」?目もあてられない政治家たちの劣化現象

県民投票を2択にするか、3択にするかで県内政治のゴタゴタが続いている。

最大の原因は「賛成」「反対」の2択にした県条例を拒否した5市の市長(市議会議員も含む)が、わがままを押し通したためである。

法律に違反し、住民の投票権という民主主義の根幹をなす基本的権利を剥奪した5市の市長の責任は重い。住民の投票により市長職に就いた人間が、住民の投票権を奪うとは、いったい何事だ!

民主主義のルールを少しも理解しない輩はリコールにかけて、直ちに解職されるべきである。

このことを強調したうえで私見を述べたい。

現在検討されている3択とは、「賛成」「反対」に加えて「どちらでもない」の選択肢になるらしいが、これを紙面で読んだ時、思わず吹き出してしまった。

「どちらでもない」は読んで字の如く、「賛成」でも「反対」でもない、という意味だろう。そうであれば、なぜ難儀して投票所まで足を運ぶ必要がある?

そもそも辺野古の美しい海が埋め立てられることに「賛成」でも「反対」でもないという人は、もともとそんなことにはなんの興味もないのだ。

そのような人は、投票しなければ良いだけの話で、「どちらでもない」という選択肢が付け加えられたからといっても、本人は投票なんかしないだろう。

ということで、「どちらでもない」を付け加えるのは全くのナンセンス。

では何故、沖縄の政治家たちは「2択」にするか「3択」にするかという幼稚な議論にかくも振り回されているのか?

ここで冷静になり用心するのに越したことはない。「チーム沖縄」と称する5市の市長の裏側で見え隠れする怨念と卑劣な罠。

彼らが玉城県政に怨念を抱いていることは、県民投票の条例を議決した時の経緯を振り返れば理解できる。

与党の「2択」案に対し、野党(自民党公明党)は「4択」を主張した。裁決の結果は、与党の過半数により「2択」が決まった。

議会制民主主義において賛成多数で決まったことは、野党といえども遵守しなければならない義務がある。

しかし、自民党に属する5市の市長と市議会議員達は、何を勘違いしたのか事務経費を入れた予算を審議する段階でゴネにゴネた。

市議会は2度にわたり予算を否決し、市長は事務経費を計上できる権限がありながら、「市議会の決定は重い」として、自ら権限を返上したのである。

これが5市の市議会と市長に共通する今回の県民投票否決の経緯である。彼らの頑なな態度から見えてくるのは、「4択」が県議会で採用されなかったことに対する怨念だ。

しかし、5市の市長に対する法的視点からの批判が集中すると、水面下で「3択」を巡る駆け引きが行われ、現在のゴタゴタ状態に至っていると言えるのではないか。

「3択」が表に出てきたのには与党と野党にそれぞれの思惑がある。

県条例は「2択」で決まったものの、5市の市長の反対で約3割の市民が投票できなくなる恐れがある、これでは県民投票に傷がつく、できたら全市町村で実施したい、というのが与党側の思惑。

対する野党側の思惑は、5市の市長に対する批判があれだけ集まるとは想像できなかった、このまま反対を続けると次の選挙で不利になる、なんとか妥協の道を探すべきだ。

というそれぞれの思惑が働いた結果、いつの間にか「3択」案が出てきたというわけだ。しかもその「3択」たるや、「賛成・反対・どちらでもない」というのだからたまったものではない。

こんなだらしのない政治家たちに沖縄の行政を任せて良いのだろうか、と考えると気が滅入ってしまう。間接制民主主義の限界というべきか。

彼らの思惑は、大体そんなところだろうが、ぼくはそこにある種の罠が潜んでいるのを感じる。玉城県政を混乱に陥れ、来たる衆議院3区の補欠選挙と夏の参議院選挙で「オール沖縄」勢を敗北させること。

そのためには手段を選ばない。安倍内閣が沖縄における選挙で繰り返し踏襲してきた手法だ。その目的はただひとつ、玉城県政を揺るがすことで辺野古埋め立てを貫徹すること。

そう考えると、今回のゴタゴタは官邸からの見えない蜘蛛の糸が何本も張り巡らされている構図が見えてくるのだ。

政治家たちの劣化は全国的な現象だが、われわれ市民としては、真実を見据え辺野古埋め立て反対の声を発信し続けるしかない。

 桑江朝千夫沖縄市長、松川政則宜野湾市長、島袋俊夫うるま市長、下地敏彦宮古島市長、中山義隆石垣市長の5人は今回の県政を混乱させた責任を取って、直ちに辞職せよ!