沖縄よ! 群星むりぶし日記

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見苦しいぞ金銭欲にまみれた元名護市長

元名護市長の島袋吉和氏が、辺野古移設問題で感想を述べている。(琉球新報掲載)

読んで魂の奥底から怒りがふつふつとこみあげてきた。金のためなら道義もへったくれもない人間とはこういう人物を指すのだろう。

「米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設は(本島)北部地域の振興策にリンクしており推進の立場だ。基地誘致は地域の経済発展に寄与する。」

島袋氏の頭の中は一昔前の想念で硬直化しているとしか思われない。沖縄県内における米軍基地が占める経済効果は年々減少し、今は約5%に過ぎない。

この5%という数字は、あくまでも経済指標に基づいて算出されたものであり、基地がもたらす環境破壊・事件・事故等を考慮に入れるならば、マイナスであろう。

つまり、米軍基地は今や沖縄経済にとって「最大の阻害要因」となっているのだ。

しかし、島袋氏は「基地誘致は地域の経済発展に寄与する。」と言う。

大嘘である。と言うよりも、彼が考えている経済発展とは、地域住民の生産活動が向上して成し遂げられる経済発展ではなくて、政府の振興策をあてにした一時的なバブルのようなものだ。

つまるところ、基地誘致を推進するから金を寄こせと政府に言っているにすぎない。

しかも振興策の名目で政府が拠出する金は、政府が稼いだものではない。全額税金である。国民の労働の対価である税金をあてにしているのである。

こんなさもしい精神の持ち主が島袋氏である。

思い返せば、基地推進派の名護市長には振興策をあてにする良からぬ傾向があるようだ。比嘉哲也元名護市長は、市民投票で移設反対派が推進派を上回ったにもかかわらず、民意を無視して移設を容認した。

それは、北部振興策事業費として、政府が十年で一千億円を投じるという約束と引き替えに成されたものだ。

一年で百億円という大金を投じた結果、果たして名護市は豊かになったのか?大いに疑問である。なぜなら、振興事業費というものは、直接市民に金を配る性質のものではない。

用途に政府の縛りがかかった紐付き予算である。ほとんどは公共工事、公共施設の建設に使われるように仕組まれている。一部の建設業者は潤うだろう。だが大型プロジェクトとなれば、本土の大手建設会社に、大方の利益は還流してしまう。

そして出来上がった箱物の維持費は市民の税金で負担しなければならない。こんな茶番劇からもうとっくに目を覚まして良さそうなのに、相変わらず基地と引き換えに金銭を要求する輩が後を絶たない。

「歴代名護市長がずっと条件付きで受け入れを表明していたので(市長として)行政継続という思いはあった。(前任の)岸本建男市長から「(辺野古移設を)しっかりやってくれ」と言われた。」

岸本建男元市長は、軍民共用、十五年で返還するという厳しい条件をつけて移設を容認した。

ところがその条件を政府は、うやむやにして、いつの間にか外したのである。岸本市長から「しっかりやってくれ」と言われた島袋氏は、軍民共用・十五年返還の条件をつけずに、滑走路をV字形に2本建設することを条件に受け入れを表明した。

そしてそれを自慢しているのだから呆れるばかりだ。こんな頭の悪い人間が、4年間も名護市長を務めたのだから、市民も可哀想だ。

滑走路をV字形にしたからと言って、米軍機が飛行ルートを守るはずがない。日米地位協定は、米軍機は国内航空法の適用を受けない、としている。民家の上だろうが病院の上だろうが、米軍機は自由に飛行することが許されているのだ。そして島袋氏は政府を擁護して次のように断定している。

「受け入れる所がないから政府は「辺野古が唯一」と言っているんだ。」

こんな単細胞的思考しかできない人間が、よくも名護市長職を4年間も務めたものだ。

受け入れる所がない、ということは米軍基地はどこでも歓迎されないということの証明でもある。そして、本土の地元住民が反対すれば、政府は聞き入れるが、沖縄県民が反対しても政府が聞き入れることはない。

だから「辺野古が唯一」となる。

こんな馬鹿馬鹿しい論理をすんなり受け入れるような人に政治を任せてはならない。名護市民が不幸になるだけではない。県民にとっても不幸である。

アジアのダイナミズムを取り入れながら、沖縄県独自の自立型経済モデルを樹立する方向に向かって船出した玉城デニー県政と協力して、名護市も市民の生産性を向上させる努力を地道に歩むべきだろう。

島袋吉和氏のような、基地と引き換えに振興策(税金)をあてにするようなさもしい根性では、いつまでたっても「誇りある豊かさ」を掴み取ることはできない。

島袋氏のような見境のない守銭奴を、ぼくは心の底から軽蔑する。