沖縄よ! 群星むりぶし日記

沖縄を、日本を、そして掛け替えのない惑星・地球を愛する者として発信していきます。

ノーム・チョムスキー氏はじめ世界の知性は辺野古新基地に反対している

世界的に著名なノーム・チョムスキーオリバー・ストーン、ジョン・ダワー各氏をはじめとして、世界の文化人・知識人・活動家133人が『辺野古承認撤回を支持する声明』を発表した。今朝の琉球新報がその全文を掲載しているので、その中から2箇所だけ引用したい。

<今回の声明は4年前の声明および、その後2015年の1月と8月に行った声明の形態に倣うもので、2014年声明に賛同した著名者を多く含んでいる。私たちが当時、懸念していた状況は良くなるどころか悪化しているので、今再び私たちは声を上げる。日米の専門家は、軍事戦略的にも、計画されている新基地の機能が存在する場所は沖縄でなければいけないということはないと言っている。(もしそのような機能の必要性があればの話だ。多くの人はそれにも疑問を呈している)。

政府が沖縄に固執する主な理由は、県外にそのような基地を造るのは「政治的に不可能」だと思っているからなのである。>

軍事戦略的必然性からではなく「政治的に不可能」だから沖縄に造るのだ、と安倍首相もつい本音を漏らした。つまり本土では反対が強いから沖縄に造らざるを得ないと言ったのだ。安倍首相の本音は沖縄差別そのものではないか!世界の知性はこの辺の事情をよく見ている。

<2012年2月、沖縄県環境影響評価審査会は前年末に提出された政府の環境影響評価書に対し、150もの「環境保全上問題」となる点を指摘した。それを受けて当時の仲井真弘多知事は、政府に対し「評価書で示された措置では生活、自然環境の保全を図ることは不可能」と意見した。しかし、仲井真前知事は2010年の知事選で普天間飛行場の「県外移設」を求めるとして当選していたにもかかわらず、2013年12月、東京の病院に身を隠している間に国の重圧に屈し、沖縄県民の圧倒的な反対の中、埋め立てを承認した。>

人の良い仲井真前知事が、アメとムチを使い分ける安倍・菅コンビの圧力に屈した時から沖縄の苦悩が始まったのだ。人間は誰でも物事に反対はしたくない。できるだけ協調したい。反対が長期に及ぶと人々は次第に疲労し、意志がくじけそうになる。

政府はうまくそこを見計らってアメとムチで落とし込む。政府と沖縄県基地問題で対立するとき、同じような光景を我々は繰り返しなんども見てきた。いや、見せられてきた。それでも先人達は、歯を食いしばって、圧力に抵抗して歴史を、我々の社会を少しづつ前進させてきたのだ。

辺野古基地問題もそうである。反対疲れのなかで、名護市長選挙は実質的には推進派の渡具知氏が当選した。経済政策を前面に打ち出し、基地問題の争点化を避ける卑怯な戦術が、名護市民の眼を曇らせたのである。13日告示の県知事選挙においても、政府が同じ戦術を踏襲するのはあきらかだ。

佐喜真候補は、新基地については反対か容認か明言しない。そして経済政策では大風呂敷を広げて名護市長選同様、県民の眼を曇らせる戦術を取るだろう。

しかし、予断は許さないとは言え、あきらかに状況は変わってきている。辺野古新基地はあまりにも多くの問題を抱えすぎて、建設は不可能であることが明確になったのだ。

仲井真前知事が埋め立てを承認して、工事が始まって以降、それまではあきらかでなかった新データが次々と出てきたのである。C護岸真下の軟弱地盤、活断層の存在、高度制限を超える建造物、土地の存在。そして米政府機関による、新基地の機能不適格性の指摘。

これらの新しい情報が承認前に出てきていたら、仲井真前知事は、はたして承認する勇気があっただろうか?仲井真前知事と雖も、さすがに承認はしなかっただろうと思うが、県2紙には是非その点を取材して欲しいものだ。

辺野古新基地は道義上も、設計上も建設不可能であることは、世界の知識人達の知るところとなった。海外識者133人による今回の『辺野古承認撤回を支持する声明』はいみじくもその事実を世界に発信することとなった。

安倍内閣は自らの失政を潔く認めて、一日も早く辺野古新基地断念の声明を出すべきだろう。