沖縄よ! 群星むりぶし日記

沖縄を、日本を、そして掛け替えのない惑星・地球を愛する者として発信していきます。

Mr.ダグラスありがとう!

去年の夏場、週毎に三ヶ月ほど辺野古へ通ったことがあった。振り返ると早いもので一年がすぎたことになる。その時、ダグラス・ラミス氏と同じバスに乗り、辺野古の現場で時間をともにしたことが何度かあった。高齢にもかかわらず辺野古の現場に通うラミス氏の姿に敬意と好感を覚えた。

短い期間ではあったが、濃い思い出がたくさんできた。工事用ゲート前で座り込みをしていたある暑い日、ラミス氏はぼくの右隣に座っていた。その時我々を排除しに機動隊がゾロゾロやって来た。

「機動隊は帰れ帰れ!」ぼくは繰り返し大声で叫んだ。ぼくのあまりにも大きな声に驚いたのか、ラミス氏は横からぼくの顔を覗き込んで、「私はあまり無理できないので立ち上がります」と言った。ラミス氏の少年のような表情に、ぼくは多少戸惑いつつ、「無理しないでください」と言って、軽く氏の肩を叩いた。

最後まで抵抗して、機動隊員に抱きかかえられて持っていかれるのは、腕に痣ができたりしてきつい。明らかにラミス氏にとっては耐えられないだろう。高齢であるのと同時に、ラミス氏は大病を患って後あまり体調が良くないのだ。それでも辺野古に来て抗議活動に参加するラミス氏にぼくは感心し、このユーモア精神にあふれる退役軍人に好意を感じた。

その思い出多いラミス氏が、久し振りに今朝の琉球新報に登場した。ラミス氏が会長を務める「平和を求める元軍人の会ー琉球・沖縄(VFP-ROCK)」が米政府監査院(GAO)に対し、米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古への新基地建設計画の問題点を独自に調査するよう求める決議案を提起して、「ベテランズ・フォー・ピース(VFP)」第33回年次総会の全体会議において全会一致で可決されたのである。

総会決議(要旨)を琉球新報は次のように報じている。

<米政府監査院(GAO)は、2017年のアジア太平洋地域における在沖米海兵隊の再編に関する報告書で、米軍普天間飛行場代替施設の滑走路が必要とされる長さを満たしていないと指摘した。この建設計画が米国の国益にかなうものなのか、その他の側面でも疑いがかかっている。

在日米軍施設の大部分、約7割の負担がのしかかる沖縄の人々はこの計画を、近代史から続く沖縄への新たな差別だと捉えている。激しい抗議と環境問題のため、建設は数年遅れている。滑走路の建設予定地には絶滅危惧種ジュゴンが生息し、手付かずのサンゴの庭が広がり、環境への細心な配慮が必要だが、日本の防衛省にその十分な能力はないとみられる。

地質調査は2014年に始まったが、沖縄防衛局は海底の地盤が2本の滑走路を支えるだけの十分な強度があるか判断していない(一部の地域は軟質の石灰岩やマヨネーズ並みの軟質地盤となっている)。

建設予定地周辺の送電塔や、学校施設、辺野古弾薬庫を含む建造物は米軍の高さ制限を超えており、活断層がある可能性も指摘されている。

これらの問題点は「良き隣人」のふりをする米軍の沖縄駐留は危険であることを示す。一方、日本政府は面目を保つことに執着し、信頼できる情報を明らかにしていない。従って、VFPはGAOに対し、この状況に対する独自の調査を行って、これらの申し立ての事実を究明し、計画の強行が、コストに見合うことなのか、リスクなのかを判断するよう強く求める。>

辺野古新基地は欠陥施設である。あらゆる角度から検証してそうだと言わざるを得ない。米政府監査院(GAO)は、昨年の報告書で、辺野古新基地は滑走路が短くて必要条件を満たしていないと指摘した。元海兵隊幹部のエルドリッジ氏はラミス氏とは立場を異にする米軍の利益を第一に考える人間だが、その彼でさへ辺野古新基地の欠陥を指摘して、反対を表明している。

米国人の思考方法はあくまでも合理的精神に基づくことを考えるならば、安倍政権と沖縄防衛局のオブスキュランティズム(非明晰性)との違いが何と際立つこと!

行政のトップが頭が悪いと下部組織の頭脳も腐敗する典型的な見本が今の安倍政権だ。

辺野古新基地がいかに欠陥に満ちた危険な施設であるか確定的となった今、各方面から大きな声で全世界に向けてその事実を発信する必要がある。その意味で、ベテランズ・フォー・ピース(VFP)の活躍は目覚しい。全世界の良識派の皆さん、連帯して辺野古新基地を阻止しよう!Mr.ダグラスありがとう!