沖縄よ! でぃぐぬ花日記

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ワールドカップが熱い!西野監督の采配の善し悪し

ハリルホジッチ監督がワールドカップ開催2ヶ月前に解任された時、突然のことに驚くと同時に、後任の監督が日本人の西野朗氏に決まったことで安堵した。ぼくは日本代表の監督は日本人であるべきだとずっと思ってきたからだ。外国人の監督だと通訳が必要で、選手とのコミュニケーションが煩わしいだろうし、文化や感性の違いもあり、意思疎通が中途半端に終わる恐れが多分にある。

日本人監督だとそんな煩わしさは一切なく、監督の思いがストレートに伝わる。このような理由で日本人監督が持論だったが、しかし、今回の交代劇はあまりにも唐突すぎたのも事実だ。できるならもっと早めに、最低短くても半年くらいは欲しかった、というのが正直な感想である。

ぼくは、ハリルホジッチ氏の縦パス一辺倒の姿勢には賛同できなかった。日本選手は外国勢と違い、個人技を中心にした試合運びではうまくいかない。やはりチームワークを第一の主眼に置いた全員が一体化した陣形を目指すべきだ。その中で縦パスの技術も取り入れる。日本選手には日本人の特長があるのは当然のことで、それを最大限に発揮する方向で外国勢には真似ることのできない日本独自のサッカーを目指して欲しいのだ。

さて、ぼくは西野監督の手腕について殆ど知識を持ち合わせていない。プロ野球よりもサッカーの方が何倍も好きだという、普通のサッカー好きにすぎない。だから西野監督のことは殆ど何の知識もなく、日本代表の監督に就任してから関心を持つようになったのである。

監督就任からワールドカップが始まる前までの短い期間、観察してきた結果わかったことは、選手たちの表情が明るくなったということだ。ハリルホジッチ監督の下での選手たちの表情と明らかに違う。厳しい暗い表情から、落ち着いて余裕のある明るい表情になった。

これは、やはり監督が代わった原因が大きいと思われる。西野氏は選手たちの話をよく聞き、自分の見解を押し付けることをしないらしい。選手たちの考えを重視し、試合中は選手たちの自主性を重んじる。しかし、性格は静かで穏やかだが、戦略は緻密で決断を下す時は、妥協することなく決然と下す。そのような人物像が少しずつ明らかになってきた。

日を追うごとに選手たちの表情が冷静になり、自信を感じさせる雰囲気になってきた。ぼく自身、西野監督ならきっと良い試合を見せてくれるに違いない、と信じる気持ちが強くなった。ワールドカップ前の強化試合で2連敗を喫し、マスコミもサポーターも落胆し、辛辣な批判が多勢を占めたが、ぼくは違う、結果は負けだが試合内容は明らかによくなっている、と思った。

予想は的中した。最後の強化試合に日本は勝利したのである。しかし、西野監督と選手たちに浮かれた雰囲気はない。監督と選手たちが一体となった証拠だ。自分たちのサッカーをやる。選手一人一人の顔がそう語っている。監督の影響力は恐ろしい。ハリルホジッチ氏から西野氏への交代は、唐突だったとは言え、正解だったと言える。

第1次リーグでは、コロンビアに勝ってブラジル大会の雪辱を果たし、セネガルと引き分けた。日本はH組ではFIFAランク最下位である。全敗を予想した多くの下馬評を覆す最高の仕上がりである。西野監督の冴え渡る采配に日本中が狂喜した。最終戦となる対ポーランド戦は、勝てば勿論のこと、引き分けても決勝トーナメントへの進出が決まる。問題は負けた場合どうなるかだが、コロンビアとセネガルの勝敗の内容いかんに左右されるのだ。コロンビアが勝ってもセネガルが勝っても日本はセーフとなる。

しかし、引き分けると得失点差でコロンビアが優位となり、日本の敗退が決まる。人を神経質にさせるような実にデリケートな組み合わせになっているのだ。ところが現実は大量の神経症患者を生むような進行となったのである。

前半有利に進めたのにかかわらず、後半になると一転ポーランドが優勢となり、ついに一点を許してしまった。ここから猛反撃するべきなのに、38分経過した頃、異変が起きた。交代で入った長谷部の指示で日本チームは自陣内でボールを回し始めたのだ。西野監督の伝令であるのは明らかだ。

ボールを回すだけの消極的な姿勢にぼくはショックを受けた。とんでもない。間違っている。一体どうなっているんだ!西野監督、ダメじゃないか。一人声に出して興奮した。確かに、コロンビアが後半に一点入れて優勢であるとの情報が流されたことはわかる。このまま最後まで行けば、日本の決勝トーナメント入りが決まる。それで積極的に勝負に出て、いらぬ警告を受ける危険を犯すよりも、自陣内でボールを回しあって試合終了の笛が吹かれるのを待つ。西野監督はそう決断したに違いない。

しかし、アディッショナルタイムを含めると終了時間までまだ約10分もある。それまでにセネガルが同点に追いついて引き分けになる可能性だって十分にあり得る。そうなったらどうなる。決勝トーナメントの夢は消えるのだ。問題の核心は、この状況の全体像のデータを西野監督はどう把握し、分析し、判断したか、である。

西野監督は、セネガルが同点に追いつけないと判断した。入手した全データを分析した結果、ギリギリの線で、危ない橋を渡らない戦略をとった。一夜明けて、冷静に考えてみると、西野監督の判断の凄さに感心するのだが、素人の頭はまだ割り切れないでいる。難しい局面での決断力。その中身は本人以外に知ることはできないだろう。最高指揮官の孤独がそこにある。

消極的なボール回しで日本代表は決勝トーナメント入りの切符を手に入れた。観客から大ブーイングが起きる醜いパフォーマンスでも良い。勝つためには、小さな犠牲はやむを得ない場合がある。

西野監督の采配は、結果を見ると成功したと言えるだろう。この静かな闘志の持ち主のことをもっと知りたいという気持ちが強くなった。決勝トーナメントで、大きな番狂わせを演じてくれそうな気がする。