沖縄よ! 群星むりぶし日記

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「チビのロケット野郎」

Little rocket man は実は賢い男だった。首脳会談の前、最初の1分で相手の本気度を見極めることができる、と豪語したトランプ大統領は去年「チビのロケット野郎」と罵った金正恩委員長が「才能豊かな男」であり「一万人に一人」の有能な人物だと、会談終了後に手放しの賛辞で褒め上げた。

超大国米国の大統領が、弱小国の若き独裁者を、初対面で称賛して見せる。なかなかあり得ないことだが、実際に起きたのである。驚かされた事は他にもある。

「幾多の困難を乗り越えてここまでたどり着く事ができた」「世界は重大な変化を見ることになるだろう」「世界の多くの人々は、これをSF映画や空想だと思うでしょう」

金正恩氏の言葉には重みがある。単調な言葉を連発するトランプ大統領と較べて、金委員長の方が表現力は豊かだ。四月二十七日に行われた南北首脳会談で見せた金委員長の熟練した交渉力は、決して付け焼き刃ではなかったのだ。一連の経過をずっと見てきて、ぼくは今回の首脳会談も金委員長のペースで進むだろうと予測したが、共同声明を読むと正にその通りとなった。

トランプ大統領北朝鮮に安全の保障を与えることを約束し、金委員長は朝鮮半島の完全非核化への確固で揺るぎのない約束を再確認した。」

明らかに、金委員長は当初の目的を達する事ができた。但し、当然のことながら具体的な細部を詰めていく作業は、実務担当者に委ねられる事となる。全てはこれからであり、両国が誠実に取り組んでも、必然的に長丁場の工程になるのは間違いない。

金委員長の頭の中を占める最優先事項は、自国経済の立て直しであり、それによって慢性的な人民の飢えの状態を解消することにある。先代の時代に食糧危機で何十万人もの餓死者を出した事があった。若き後継者は冷徹な現実を見て激しく慟哭したに違いない。このままではダメだ、父親の政治を踏襲するだけでは確実に国は滅びる。負の遺産を正に転換しなければならない。

二十代で権力を引き継いだ若き独裁者は、数年の間、公の場に顔を出すことはなかった。内部の凄まじい権力闘争とこれからの国家運営、その青写真作り。修羅場で討死にすることなく、徐々に力をつけ、北朝鮮の未来図を描き、その実現の為の戦略を綿密に練り上げて、最適な時期に照準を合わせて大勝負に打って出る。

「幾多の困難を乗り越えてここまでたどり着く事ができた」

その為の水爆であり、ICBMであった。目的は米国を威嚇する事であり、戦争するためではなかった。若き独裁者の才能を見抜いたトランプ大統領も流石だ。いつの日か大統領が平壌を訪れ、金氏がワシントンを訪れる時がきっとくるに違いない。両者とも相互訪問を了解したとの報道がなされたからだ。あまりのスピード感に驚くばかりだが、その実現の為にも、金委員長が計画している外国からの投資に、中露米韓日各国は積極的に参加すべきだろう。北朝鮮の経済が豊かになり、民主化に向かえば人権問題も徐々に解決されるはずだ。

稀代の若き戦略家を得た以上、各国は快く手を差し伸べて朝鮮半島安定化のために、困難を乗り越えて全面的に協力すべきだろう。

さて、我が国にとって最大の問題、拉致被害者の問題が残っている。トランプ大統領は、安倍首相の強い要望通り金委員長に問題提起したようだ。しかし、共同声明に書き込まれることはなかった。帰国途上にある専用機からトランプ大統領は安倍首相に電話をしてその経過を報告した。それを受けて、安倍首相はインタヴューに応じたが、表情が全く冴えない。

そして、詳しい内容についてのコメントはなかった。以上のことから明らかなことは、金委員長の返事は、「その問題はすでに解決済みです」。こう言われたら、トランプ大統領としても黙るしかないだろう。至極当然のことである。だから、安倍首相は詳しい内容には触れず、冴えない表情を見せるしかなかったのだ。

予想していたとは言え、相変わらずこのざまだ!トランプ大統領は日本人ではない。拉致被害者家族に同情はしても、本気で北朝鮮と交渉するはずがないし、できるはずもない。金委員長に対して、安倍首相がこう言っていたと、拉致問題を伝える以上のことが出来ないことは誰でも知っていることであり、むしろ伝えただけでもトランプ氏に感謝すべきで、同氏としては、シンゾウには義理を尽くしたと思っているだろう。それだけの話なのだ。

許し難いのは、安倍首相の姿勢である。何故他国に拉致された同胞を救うのに米国大統領に頼む必要があるのだ。国民の生命と財産を守る責任のある、行政の最高責任者がこんなことで良いのか!

一体今まで、金委員長に直接繋がるパイプ作りに本気になって奔走したことがあるか、ないはずだ。「最大の圧力をかける」の馬鹿の一つ覚えだけではないか。トランプ大統領はもうこの言葉は使わないと言っている。と言うことは、拉致被害者を取り戻す戦略が、安倍首相には何一つ残っていないことになる。安倍首相の責任は非常に重い。

外交も国防も米国に従属してきた売国政治が拉致被害者とその家族を奈落の底に突き落とす。

ここまで来たら、朝堂院大覚総裁が言うように、拉致被害者家族は無為無策安倍総理大臣を裁判にかける訴訟を起こすべきだろう。森友・加計学園問題に関する国会答弁の不誠実さ、県民の大多数が反対しているにもかかわらず「辺野古が唯一」を繰り返す無能振り、安倍晋三は戦後最悪の総理大臣である。

米国に擦り寄る他に能のない売国奴政治家、安倍晋三、直ちに政治家をやめろ!