沖縄よ! 群星むりぶし日記

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護憲派も改憲派も同じ穴の狢だ

憲法記念日の今日の天気は、朝からどんよりした曇り空で、午後から雨が降ったり止んだりしている。

今日の鬱陶しい天気を表すかのように、琉球新報の紙面は、護憲の主張一色で塗り潰されている。読者の意見欄、社説、論壇の全てが現憲法を擁護する言葉で彩られている。さらに、「 市民意見広告運動」という名の市民団体による意見広告が1ページ全面を使って、「「変えない」を選ぶ・9条をこわすな」とのタイトルで掲載されている。県選出国会議員へのアンケートでは、完全な護憲派は、照屋寛徳赤嶺政賢糸数慶子伊波洋一の四議員。他の5議員は、加憲か新憲法かで見解の微妙な相違があるが、改憲派と見て間違いないだろう。

さて、自民党は4項目に絞って条文案をまとめたことになっている。9条の自衛隊明記、教育充実、緊急事態条項の新設、参議院合区廃止の4項目であるが、とりあえず今日は、9条の自衛隊明記だけを問題にしたい。

昨年、安倍首相は日本会議のビデオメッセージで、9条の1項2項を変えることなく、3項を加えて自衛隊を明記する案を示した。それを知った瞬間、ぼくは安倍晋三という男の臆病さ頭の悪さを再認識したのだった。首相になる前から表明していた9条改正案の中身はこんなチンケなものだったのか、と。

政治は現実的でなければならない、と安倍氏はよく言うが、チンケな9条改正と現実は全く関係ない。小判鮫・公明党に配慮したらしいが、これが現実的対応とすれば、安倍氏が考える現実とは、単なる筋悪の妥協に過ぎないだけではないか。

日本国憲法第二章  戦争の放棄

第九条 1日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

この条文の第2項が自衛隊の存在と矛盾することは、中学生でも理解できることだ。自衛隊は立派な陸海空軍である。ごまかしの効かない現実である。このくらいのことは、小学生でもわかる。それを自衛隊は軍隊ではないとごまかしてきたのは、他ならぬ国会議員の連中だ。

死を覚悟して国家国民の為に職務を遂行すると宣誓して入隊した誇るべき自衛官達を、日陰者扱いし貶めてきたのは、他ならぬ国会議員の馬鹿者たちだ。多くの国民はこのことを良く知っている。がしかし、平和ボケして眠りこけたままだ。その意味では、当然、国民にも大きな責任がある。

では、第2項の矛盾を解消する為にどうすれば良いか。安倍首相は第3項を加えて自衛隊を明記したいと述べ、その意に沿った改正条文案を自民党がまとめた。しかし、本当に自民党の改正条文案でいいのか。良いわけがない。9条改正論者のぼくの目から見て、自民党案は、幼稚で粗雑であり、粗悪であり、欺瞞に輪を掛けた大嘘であり、非常に危険である。

戦後ずっと続いた神学論争に終止符を打つどころか、神学論争を未来永劫継続し給へ、と宣告したようなものだ。ぼくは、チンケな自民党案に大反対である。国民に真正面から向き合って、なぜ正々堂々と正論を訴えないのだ。

日本国憲法第二章  国防を担う国軍

第九条 1 日本国は国防を担う国軍を保有する。 2 他国への侵略は永久に放棄する。3 国軍の最高指揮権は内閣総理大臣に属する。4 国軍の規模、形態、機能については国軍法により規定する。

 これは、ぼくの9条改正案だが、自民党案より何倍も優秀だと自負する。細かい表現はともかくとして、全体を貫く精神は、こうあるべきだと確信する。

さて、改憲派自民党案)を論破した次は護憲派だ。護憲派の主張は、チンケな自民党案に劣らず、いやそれ以上に罪が深い。9条を語る時の護憲派の目は点になり、脳細胞は活動を停止する。飽きもせず繰り返し彼らが言うことは、憲法が施行されて以来、針の先ほども動かず固定したままだ。

曰く、9条のお陰で戦後ずっと平和が守られてきた。何を寝ぼけたことを抜かすか。これは大嘘である。戦後ずっと平和が守られてきたのは、在日米軍の存在と自衛隊のお陰である。これが真実であり、戦後日本の冷厳なる実態である。

先の大戦で米国に大敗した我が国に米軍が進駐しないで、荒廃して無力な国状のままだったら、代わりにソ連軍が駐留しただろう。そうなれば日本及び日本人がどうなったか、想像するだけで身震いする。米国という敵国の軍隊に占領されたことは屈辱であったが、凶暴なソ連軍の餌食にならずに済んだと思えば、不幸中の幸いであったと言えるだろう。

しかし、当然なことだが、ぼくは米軍の駐留を無条件に容認する立場ではない。自主防衛がぼくの信念だが、今はこのことを論じようとは思はない。後日言及する機会があればと思う。

護憲派が言うように、9条が平和を守ったのなら、今の日本から全米軍が撤退し、自衛隊が解体され消滅したらどうなるか。それでも9条の不思議な魔力のお陰で平和が維持されるなら、護憲派の主張は正しかったということになる。試しに実験してみようか、と言いたいところだが現実は無理だ。

そこで想像力を働かしてみる。軍隊が存在しない日本と軍隊が存在する周辺国。軍隊の存在する国と日本が貿易をする。取引が順調にいく時もあれば、いかない時もある。交渉がこじれて貿易摩擦が起きたとする。最終段階で相手国が軍事力をチラつかせて脅してきたらどう対処するか。

軍事力を持たない日本としては、どんなに知恵を振り絞って対処しようにも立場が弱すぎる。譲歩に譲歩を重ねて大損してしまう。こんなことが繰り返されて、ついに国家破産!そして他国の占領下に置かれて奴隷化する日本人!決して大袈裟なことを言うつもりはない。少し想像力が働く人には容易に予想できることだ。護憲派の諸君、これで良いのか、と言う話。

さらに、彼等に問いたいことがある。護憲派の皆さんは、自宅を留守にする時にドアや窓に施錠せずに外出するのか、と。あるいは帰宅して就寝する時、同じように施錠しないのか、と問いたい。もし、護憲派の皆さんが日常生活で施錠しない生活を送っているとすれば、ぼくは彼等の9条死守の主張に対して異議を唱える資格はないだろう。潔く降参しよう。

しかし、実際のところは、護憲派と雖も、ほとんどの人はしっかりと施錠して外出し、就寝なさるのではないか。このしっかりと施錠することが、国家規模で考えると、軍事力で外国の侵略を抑止することだと認識してもらいたい。このくらいの理屈が理解できない護憲派の諸君、潔く猛省しなさい。

結論。安倍政権のチンケな9条改正案と護憲派の幼稚な9条擁護論に、ぼくは大反対である。護憲派改憲派自民党案)も罪深き同じ穴の狢である。いずれも国家存亡の危機に至る道だ。危ない危ない。