沖縄よ! 群星むりぶし日記

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第三次世界大戦を画策するイスラエルとアメリカ

Sputnikの報道によると、<先月29日(日曜日)にイスラエルはシリアに駐留するイラン第47部隊を空爆し、11人のイラン人を含む16名が死亡した。それ以前にも、シリアのT-4空軍基地を空爆して7人のイラン人が死亡している。>

そして、空爆を正当化するかのように、イスラエル首相ネタニエフは、イランが作成したとされる「Project Amad」と呼ばれる5万5千ページに渡る文書とCDを、翌日公表した。これはイラン軍の核開発を詳細に記した資料だという。 

これが事実なら、イランは2015年に米国他5ヶ国(英仏独中露)と交わした核開発制限合意を破棄したことになる。合意を交わした各国は、特に米国は厳しい対応を迫られるだろう。

しかし、これはネタニエフが仕組んだ罠だとしたら?と言うのも、トランプ大統領は2015年の合意に不満を表明しているし、できればもっと厳しい内容にしたい、と思っている。国務長官に就任したばかりのポンペオ氏の最初の外国訪問先がイスラエルサウジアラビアということも、この問題に大いに絡んでいると見て間違いない。

トランプ政権が対イラン強行派であることをうまく利用して、これに火を付けてイランを叩く口実を作る。ネタニエフがそう考えて、「Project Amad」という嘘話をでっち上げたとしても少しも不思議ではない。

早速、マロン女史という政治アナリストが反論した。< もし、ネタニエフの言うことが事実とすれば、彼が言っていることは、IAEAの調査チームがイランに入り核査察を行い、合意を調停したのにもかかわらず、調査員たちは嘘つきで馬鹿者ということになる。そして、ネタニエフ、あるいはイスラエルは過去6年間にわたり、途切れることなくシリアを攻撃してきたのに、今回の文書を攻撃を正当化するために利用している。>

そして、作家で活動家のベンジャミン氏が言う。< 不幸なことに、我々は、凄惨な歴史が繰り返されるのを見てきた。米国、イスラエルサウジアラビアが戦争を正当化するための事実を作成しようと試みる歴史を。数年前、ポンペオ氏とボルトン氏はイランを爆撃することについて語っていた。ジョン・ボルトンはニュウヨークタイムズ紙に寄稿して、イランから爆弾を除去するために、イランを爆撃するべきだ、と書いた。>

ベンジャミン氏がさらに付け加えて警告する < 彼等はまた、自分たちが課した経済制裁のお陰で経済的に弱体化したイランを徹底的に叩くチャンスは今だと考えている。しかし、彼等は幻想を見ているに過ぎない。2002年にサダム・フセインを倒して新政府に取って代わらせたあの時の幻想だ。彼等はそれが可能だと思っていて、イラン人民が政府を転覆して、奇跡的に親米政権ができると考えている。これらは全て今までに見てきたことであり、非常に危険である。>

中東の情勢を追いかけていくと少しづつ見えてくるものがある。中東全域を親米政権にしたいという米国の思惑がイスラエルの利害と完全に一致するという事実。イスラム教のシーア派スンニ派の宗教対立の陰に隠れて見えにくい真の中東問題の本質は、実はイスラエル問題である、ということ。

1948年にイスラエルは建国された。戦後生まれの新しい国家である。2000年に及ぶ放浪の末、旧約聖書の神がユダヤ人に約束したとされる現在の地に、国際連合の決議によって建国が承認された。しかし、その内容を巡ってユダヤ人とアラブ人との対立が当初から存在し、そのため民族の対立が激化する。その後の歴史的経過は割愛するが、この時のイスラエルの建国をめぐる複雑な問題が最終的な解決を見ることなく、今日まで続いているのである。

そして、ユダヤ勢力は米国において隠然たる力を持っている。米国大統領と雖も彼等に逆らうことは許されない。だから、中東問題の本質とは、米国とイスラエルアラブ諸国連合の対立と言うことができる。もう少し複雑な要素もあるかもしれないが、簡略に図式化するとそうなるのではないか。

米国の中東政策が中東全域を親米路線で固めることにあることが、この簡略な図式で理解できる。

しかし、はっきり言って、それは不可能なことである、と断言できる。その理由は現実を直視するだけで良い。カダフィ大佐を殺し、フセイン大統領を殺した結果、中東はどうなったか?カダフィ大佐が上手く統治していたリビアは、混迷状態であり、安定化の道のりは遠い。フセイン大統領が上手く統治していたイラクは、長期にわたる破壊の惨状から未だ回復していない。

親米政権どころか米国はアラブ民族から嫌われ憎まれているのだ。当然の事だ。国家を破壊し、人民を殺戮し、アラブ民族の尊厳を足蹴にした人間を、誰が信用することなどできようか?

イラクとシリアの人々の地獄のような苦悩の責任は米国政府にある。手前勝手な政策を強行する米国政府に全責任がある。にもかかわらず、反省のかけらもなく、相変わらず古くなって通用しなくなった政策を推し進めようとしている。ここまでくるともはや精神病患者だ。

イスラエルと米国の政権の上層部に巣食う精神病患者どもが取り返しのつかない第三次世界大戦を準備している。彼等が、政策の大転換をし、アラブ民族に大いに譲歩し、真の和解を唱えない限り、第三次世界大戦が中東から火を吹く可能性は非常に高い。