沖縄よ! でぃぐぬ花日記

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最善・最良の政治改革は対米従属からの脱却にある

財務省の公文書捏造、防衛省による公文書隠蔽と官僚の腐敗堕落が止まらない。かつて経験したことのないような政治の液状化現象である。何故そうなったか、その原因のひとつは、2014年に制定された内閣人事局にあるのではないか、とぼくは見る。

官僚を内閣の意のままに動かすためには、内閣が人事権を握るのが手っ取り早い。官僚の最大の関心事は、出世にあるとされる。とすれば、人事権が誰に属するかは、官僚にとって死活の問題となる。支配欲の強いお坊ちゃん政治家・安倍首相がそこに目をつけたとしても少しも不思議ではない。官僚たちは必死に抵抗したが、いつの間にか内閣の中に人事局が組み込まれていた。

そうなると、出世欲の強い官僚達の視線が内閣の動向に向けられるのは自然の勢いというものだ。政治家に対する官僚の忖度は、今までにもあったし、あって当然と言えるが、しかし、内閣に人事権を握られたら、忖度の度合いがワンオクターブ上昇しても、これまた当然のことと言えるだろう。

公文書捏造・隠蔽というあってはならない事件が次から次へと表出する一連の流れを見ると、その原因は官僚達の内閣に対する強度の忖度から生まれていることは明白だ。

安倍首相も菅官房長官も、人事局を設置した当初は、官僚達がこれほど自分達の言動を忖度するとは考えていなかったはずである。人事権を掌握すれば官僚達は俺達の言う通りに動いてくれる、としか考えていなかったに違いない。しかし、現実は思い通りにいかないのが世の常だ。

公文書捏造・隠蔽は実務に優秀であるはずの霞ヶ関の官僚達の脆弱さの一面を世間に晒した。ある意味、可哀想といえば可哀想だ。国家のために働きたいのに、絶えず内閣の顔色を気にしなければならないとは。

今の状態が続けば、日本という国自体が世界の信用を失う危険さへある。公文書捏造・隠蔽問題は、それほど深刻な事態と言える。この泥沼から抜け出るためには、一体どうすれば良いのか。

小手先の改革で済むような類のものではない。根本的大改革が必要である。まずは、安倍内閣が総辞職をして人心を一新する事。そこからスタートすることが第一条件だろう。そして、内閣人事局を廃止して、元の状態に戻すこと。そもそも、内閣に人事局を置くこと自体が、政治家自身が自分達には官僚を動かす能力も自信もないと宣言しているようなものだ。

官僚は実務に長けている。データの蓄積も膨大だ。その優秀な官僚群を動かすためには内閣を構成する政治家にそれ相当の能力が要求される。しかし、今の内閣にそのような政治家は一人もいない。だから安倍首相と菅官房長官は官僚を脅す人事権が必要だったのだ。ところが4年経過して出た結果は、見ての通り惨憺たるものだ。官僚達はすっかり萎縮してしまっている。国家のために働くどころではない。意に反して、実は国家を弱体化する方向に動いているのではないか。

ではどうすれば良いか? 振り返って見ると、高度成長期、官僚から絶大な信頼を得た政治家がいた。

田中角栄がその人だ。ロッキード事件で潰されたあの田中角栄である。ロッキード疑惑の巨大な影に覆われて、田中角栄が遺した業績は人々の記憶から忘れ去られつつあるが、田中ファンは今もまだ数多く存在する。僭越ながら、ぼくもその一人である。天才政治家・田中角栄は大変な勉強家、努力家だった。無名時代に成立させた議員立法には日本の高度成長を促進させる重要な法案がいくつも含まれている。国土総合開発法電源開発促進法、住宅金融公庫法、公営住宅法道路法、等々33もある。その記録はまだ破られていないどころか、議員立法に関心のある政治家が、今日果たして何人いるか、心細い限りだ。学歴こそ他の政治家より見劣りするものの、法律は東大法学部卒の官僚達を唸らせるほど詳しかった。政策立案能力もずば抜けていた。

記憶力が高く、決断力、実行力もずば抜けていた。郵政大臣、大蔵大臣と歳若くして重要閣僚となり、次々と実績を積んでいった。四十四歳という史上最年少で大蔵大臣に就任した時の挨拶。

「 私が田中角栄だ。小学校高等科卒業である。諸君は日本中の秀才代表であり、財政金融の専門家ぞろいだ。私は素人だが、トゲの多い門松をたくさんくぐってきて、いささか仕事のコツを知っている。・・・一緒に仕事をするには互いによく知り合うことが大切だ。我と思わんものは誰でも遠慮なく大臣室にきてほしい。何でも言ってくれ。上司の許可を得る必要はない。・・・できることはやる。できないことはやらない。しかし、すべての責任はこの田中角栄が背負う。以上」(早坂茂三著『政治家田中角栄』)

田中大臣が政策の方向性をしっかり示し、それに従って官僚が動く。何かあれば、大臣が責任を背負うと宣言したのだから、官僚がやる気になって一生懸命仕事に励む光景が目に浮かぶようだ。

田中角栄という過去の政治家を例に挙げて、何が言いたいかというと、官僚を動かしてしっかりした仕事をしてもらうためには、大臣こそポストに相応しい能力を持たなければならないということだ。知識も責任感も薄いような大臣の言うことなど官僚が真剣に聞くはずがない。安倍内閣のほとんどの大臣は官僚から軽蔑されている。この負のスパイラルは、内閣が人事権を握ったことで解消するどころか、逆にマイナスに作用しただけである。

今回の公文書捏造・隠蔽事件が立派な証拠だ。責任の所在を明確にするために、安倍内閣は総辞職すること。そして内閣人事局を廃止して元に戻すこと。そしてもうひとつ。外交も安全保障も米国に追従・従属する政治から自主外交・自主防衛を政策に掲げる強力な内閣を組閣すること。

この三点が実行実現されない限り、今の政治液状化現象は永遠に続くだろう。小手先の処方箋で現状を切り抜けても、一時的に過ぎず、混乱は繰り返し最終的に収束することはない。