沖縄よ! 群星むりぶし日記

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政府、代替案応じず

昨日のブログで、辺野古新基地の代替案についての翁長知事の発言を批判したが、実は今日、切り抜き記事を整理していて見落としがあることに気づいた。昨日参照した記事は、新報の3月17日付の記事だが、その2日前の15日付同紙に知事の代替案発言が載っているのを見逃していたのだ。17日の記事と内容が多少異なるので検討してみたい。

15日付の記事によると、翁長知事は米国ワシントンでのシンポジウム後の会見で次のように語っている。

「 副知事が柔軟性を持って(辺野古以外の)いろんな案について政府の話も聞いた。ただ残念ながら(政府が)辺野古唯一という姿勢が変わったことは一度もなかった」

「 シュワブやハンセン内にヘリポートをという話が少しでも出たら、地元は『とんでもない』となる。県民の思いもばらばらになり、政府は高みの見物をする。県民の心を割る。慎重にやらないといけないことははっきりしている」

官房長官や副長官、防衛大臣と1、2時間しっかり議論させていただく場をつくっていただかないと、(県が)代替案を出すことはできても、(日米)両政府がそれをどう議論してくれるのか、そこがポイントになると思う」

以上の発言からわかることは、辺野古以外の代替案について、県側は政府と何らかの形で話し合ったことがある。提案した具体的中身には触れていないが、ここで知事はハンセン内という言葉を使っている。続いて「シュワブやハンセン内にヘリポートをという話が少しでも出たら、 地元は『とんでもない』となる。」と語っているところを見ると、ハンセン内移設(これは昨日紹介した『この一冊ですべてがわかる普天間問題』の著者小川和久氏の構想)を提案することには消極的で、政府との話し合いでこの言葉が出たかどうか、確証はつかめない。とは言うものの、翁長知事がハンセン内という言葉を使っているところをみると、個人的に関心を持っていることは間違いないと言えそうだ。

勝手な推測だが、知事は小川氏の本を読んだのではないだろうか。ぼくが3年前に知事宛に送った本か、あるいは違う筋から入手したものかどうかは問題ではない。もし知事が読んだとすれば、小川氏の具体的かつ現実的な構想に心が動いた可能性は高い。

ただ残念なことに、上の発言だけで判断すると、知事はハンセン内移設構想に積極的ではない。県内移設だからという理由で県民が反対することを恐れている。

しかし、知事に強く要請したい。小川氏のハンセン内移設構想が実行に移されれば、2、3年内に移設は完了する。現行のシュワブ案のように大浦湾の美しい貴重な海も砂浜も埋め立てる必要がない。工期は短く、建設費(日本人の血税)も安く抑えられる。

大田知事に普天間飛行場返還を政府に要請するよう促した小川和久氏は以来ずっと、普天間問題に直接的間接的に関わってきた人物だ。そして氏のハンセン内移設構想を、政府は一時期容認する姿勢を示したことがあった。しかし、時の官房長官梶山静六菅義偉官房長官の親分)がボツにしたのだ。

政界は泥沼の世界だ。そこで跳梁跋扈する既得権益を重視する政治家が蠢いて、普天間問題を解決する最善・最良の小川構想を葬り去ったのだ。前近代的政党自民党の厚い壁を突き崩すのは容易なことではない。

官房長官や副長官、防衛大臣と1、2時間しっかり議論させていただく場をつくっていただく」ことを翁長知事は希望しているようだが、その実現のために果たして知事はベストを尽くしたことがあるだろうか? 翁長県政が「 あらゆる手段を使って」政府に対し、代替案を説明するために1、2時間の交渉時間を要求したとは思われない。

翁長知事に辺野古に代わる代替案を政府に突きつける気持ちが本当にあるなら、あらゆる人脈(小川氏を含む)を動員駆使して、政府の説得にあたり、説明に充分な時間を確保すべきだろう。と同時に、県内移設だから県民が反対するであろうなどと、説明もしない前から恐れるのではなく、ハンセン内移設は辺野古移設に代わる最善最良の政策であることを、県民に誠意を持って説明し、県民を説得するべきではないか。

そんなこともできないようでは、オール沖縄の名前が泣くぞ。