沖縄よ! でぃぐぬ花日記

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山田宏参議院議員の沖縄に対する誤解・無理解を正す

山田宏参議院議員が沖縄視察をした際、翁長知事と意見を交わした時の感想を19日のツイッターに書いている。 ぼくはツイッターをやらないので、その規定についてほとんど知らない。字数の制限のためなのか、山田氏の感想は7回にわたり連続した形になっている。そこで、読み易いように7回分をひとつにまとめて転載した。反論を試みたい。

< 昨日より参議院沖縄北方特別委員会の沖縄視察。昨日は翁長知事から 国への県要望の説明を受けた。要望の中に「尖閣諸島を巡る問題について」とあり、その中で「尖閣諸島が、歴史的にも国際法上も日本固有の領土であることを国際社会に明確に示すこと」「安全確保について適切な措置を講じること」と。
そこで私は、折角の機会なので翁長知事に、「知事は度々中国を訪問されていると聞くが、その際この要望にある『尖閣諸島はわが国の領土』について、沖縄県知事としてどのように中国側に主張されてきたのか」「国が取るべき安全のための適切な措置とは、具体的に提案はあるのか」と質問した。
翁長知事から、まずネット等で2人のお嬢様が中国と関係あるかのように言われていることにわざわざ言及され、「2人とも中国に行ったこともなく事実無根」との発言があった。そのような噂を私はよく知らなかったし、質問もしていないのだが。
そして、中国と沖縄は400年以上の関係があり、知事として福建州を訪問するが、自治体どうしの関係なので(国の問題である)尖閣諸島問題は取り上げない。また河野洋平会長の日中貿易の訪中団にも参加したが、中国側幹部との会談では、時間の関係で尖閣問題を取り上げる雰囲気になかったとのお答え。
知事のお答えに、私は大きな違和感を感じた。尖閣問題が沖縄の安全に関わる重大問題なら、訪中時に当該自治体の責任者として、堂々と主張するのがむしろ沖縄県知事としての義務ではないか。沖縄県知事が尖閣問題に一言も触れないのは、中国に間違ったメッセージを与えることになるのではないかと。
一方で翁長知事は米軍基地問題については、何度も訪米して米国政府や軍に直接抗議をしている。条約で認められている同盟国の基地撤去を要請しながら、他方で不法な中国公船の撤去を要求しないのは、どう考えても知事の行動としては筋が通らない。また国が取るべき具体的な「安全のための適切な措置」について、翁長知事からは提案がなかった。沖縄の経済や観光に影響を与えないように、平和的に解決すべきとのこと。緊張を高めているのは中国なのに、知事が直接抗議もせず、あくまでもわが国が平和的に安全確保せよと言うのは支離滅裂ではないか。>

山田氏の度重なる政党遍歴については触れないことにする。ただ、翁長知事同様、地方自治体の首長として杉並区長を3期務めた実績があることを確認しておく必要はあるかもしれない。

さて、翁長知事は議員団に対して「尖閣諸島が、歴史的にも国際法上も日本固有の領土であることを国際社会に明確に示すこと」を県から国に対する要望として提示した。これに対して山田氏は「知事は度々中国を訪問されていると聞くが、その際この要望にある『尖閣諸島はわが国の領土』について、沖縄県知事としてどのように中国側に主張されてきたのか」と質問した。それに対する翁長知事の答えに山田氏は、「尖閣問題が沖縄の安全に関わる重大問題なら、訪中時に当該自治体の責任者として、堂々と主張するのがむしろ沖縄県知事としての義務ではないか。沖縄県知事が尖閣問題に一言も触れないのは、中国に間違ったメッセージを与えることになるのではないかと」違和感を感じたと述べている。山田氏の違和感は、本土の保守言論人に共通する、翁長知事を批判する時の特徴的な一般論である。この批判が沖縄に対する誤解・無理解に基づく偏見から来ることは間違いない。と同時に山田氏は、自治体の首長と国会議員の役割を混同しているのではないか、と指摘したい。中国側が主張する尖閣問題は領土の領有権問題である。国家間の領有権問題に一地方の首長に過ぎない知事が、果たして相手国に対して直接交渉することが、あるいは意見を披瀝することが許されるだろうか? 仮に可能だとしても、発言には慎重の上にも慎重を期す必要がある。なぜなら知事の発言が中国側の怒りを買い、情況が一気に悪化し、国益を毀損する事態に陥らないとも限らないからだ。そうなるくらいなら、尖閣問題についての発言はできるだけ控えて、沖縄の経済と観光に悪い影響を与えないよう、平和的な交渉に徹するべきである。県政を現実的に賢く運用しようと思うなら、どうしてもそうならざるを得ない。そして何よりも領有権問題は、政府の専権事項である。国家対国家の交渉事案である。武力衝突の危険性を孕む今の尖閣問題は、政府の責任において解決されなければならない性格を有する。自衛隊の最高指揮官は安倍内閣総理大臣である。尖閣問題に直接関係する外務大臣防衛大臣安倍内閣の一員である。そして、山田宏参議院議員は現在、与党自民党に籍を置く国会議員である。その意味で山田氏は、尖閣問題においては翁長知事よりも責任ある立場にあるはずだ。その山田氏が、何故尖閣問題で沖縄県知事を問い詰めなければならないのか、不可解である。

明らかに、地方自治体の首長と国会議員の政治的役割を混同しているとしか思われない。山田議員は、翁長知事が中国側幹部に尖閣問題について発言することで、何を期待しているのだろうか?翁長知事に問題の解決を計るよう期待しているのだろうか?日本国の最高権力者がいまだに解決できない問題を、沖縄県知事ならできるとでも思っているのだろうか?決してそうではあるまい。山田氏の真意には、無理難題を吹っかけて、辺野古新基地に反対する沖縄県知事を貶める意図が透けて見えるのだ。そうなると山田氏も対米追従・従属路線の売国政治家に過ぎないことが良くわかる。骨のある与党国会議員なら、安倍首相に尖閣問題で中国共産党を名指しで批判するよう談判べきではないか。海上保安庁に地元の漁師が安全に漁ができるように国会を動かして議決すべきではないか。また、それほど尖閣問題に深い関心を持っているならば、自ら議員団を組織して、尖閣諸島に上陸し、日の丸を堂々と掲げる行動を起こすべきではないか。沖縄県知事を貶める前に、与党国会議員としての役割をしっかり果たしてから、物を言えと言いたい。山田氏は、また次のように発言している。

「一方で翁長知事は米軍基地問題については、何度も訪米して米国政府や軍に直接抗議をしている。条約で認められている同盟国の基地撤去を要請しながら、他方で不法な中国公船の撤去を要求しないのは、どう考えても知事の行動としては筋が通らない。」

このような発言は、本土の保守言論人が執拗に繰り返してきた、翁長知事に対する批判である。沖縄が戦後、ずっと戦い続けてきた米軍基地問題尖閣問題は、政治的歴史的観点から見て、全く位相の異なる問題である。それを同列に論じる山田氏は他の保守言論人同様、何も理解していない。国会議員として失格である。先の大戦で日本が大敗北して以来、72年の長期にわたって沖縄に米軍基地が駐留し続けて現在に至っている。その規模は、全国の米軍専用施設の7割を占め、近年その機能はますます強化されている。四方海に囲まれた狭い土地で広大な米軍基地の存在は理不尽で不条理であると、沖縄県民は戦後一貫して主張してきた。基地あるゆえの事件事故が発生するたびに、基地の縮小と再発防止策を日米両政府に訴えてきたのだ。しかし、自民党政治対米追従・従属を信条としているため、県民の訴えは無視され続けてきた。米軍基地問題とは、沖縄県民にとって日常生活に食い込む、今そこにある危険状態を意味する。県民は危険と隣り合わせで異国の軍隊と生活する事を強いられているのだ。このままではいけないと、県民の民意を代表する県知事が、訪米して米国政府や軍に直接抗議をすることが何故いけないのだろうか。日本政府に沖縄県民の訴えを真摯に受け止める誠意が少しでもあるならば、県知事が、わざわざ難儀して遠い米国まで行く必要はない。しかし、日本政府の顔は沖縄県民ではなく、米国の方を向いているという現実がある。日本政府のあまりの冷淡さが県知事をして米国訪問へ追いやっているのだ。やむにやまれないという大義名分が翁長知事の米国行脚にはある。大田元知事も同じく何度も訪米した。その心境は、藁にもすがる思いだったに違いない。しかし、山田氏はこの沖縄の政治的歴史的実態を少しも理解していない。そのために、何故不法な中国公船の撤去を要求しないのだ、と翁長知事を問い詰めているのだ。では山田氏に問いたい。中国人が沖縄人に対して、今までに直接暴行を加えたことがあるか。沖縄に中国軍基地を駐留させたことがあるか。政治的にも歴史的にもそのような事実は全く存在しない。歴史を振り返れば、琉球・沖縄と中国は長きにわたって友好関係にあった。日本と中国の関係が友好と敵対の繰り返しであったのとは異なる。しかも、先の大戦で日本軍は中国本土で戦争し、お互いに殺し殺される負の遺産を持っている。幸いにも、沖縄にはそれがない。歴史上、中国と琉球・沖縄の友好関係は、きっと将来良い意味で、日中関係に真の和解をもたらす上で力を発揮する場面がある筈だ。中国と琉球・沖縄の友好関係はその可能性を秘めているのである。だからこの関係を大事にするのは大切なことである。しかし、だからといって沖縄県民が中国共産党を全面的に支持しているなどと短絡的思考に走ってもらっては困る。あくまでも、いまの中国が民主化された時、沖縄と中国の友好関係が国家的規模で生かされるためにも、現在、経済と観光で平和的に付き合う必要性があると翁長知事は主張しているのだ。

「どう考えても知事の行動としては筋が通らない。」と言う山田氏こそ余程筋が通らないのである。

山田氏はもっと沖縄のことを学習すべきだろう。本土の人間から見たら、沖縄は小さな島だが、日本列島では最も独自色の強い歴史を持つ地域である。深く理解するためには、長い時間をかけて取り組む忍耐が要求される。竹中労小林よしのり両氏のように、できるだけ多くの一般庶民とうち解けて会話を交わし、ウチナーンチュのありがままの姿を理解する以外に、誤解・無理解から抜け出す方策はない、と知るべきである。沖縄の面積も人口も、日本全体で比較した場合、100対1の関係が成立する。沖縄は絶対的少数派である。山田氏の発言には、100の圧倒的多数の側からの無意識的傲慢な姿勢が感じられて仕方がない。無意識の内なる構造的差別とは言わないことにしよう。ぼくは構造的差別という言葉が嫌いだ。それよりも山田氏には、沖縄に対する強い誤解・無理解があると言いたい。それを正したい一心で、反論を試みたのだが、政党遍歴の末、売国政党自民党に籍を定めた今の山田氏には、おそらくぼくの真意は通じまい。