沖縄よ! 群星むりぶし日記

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県はすべての許可申請を拒否せよ!

奥港の使用許可に対する市民の反発の激しさは、翁長知事の予想を超えるものであることが明らかになった。昨日夕方の記者会見で、翁長知事は次のように述べている。(今朝の琉球新報より)
「道路をあれだけの粉塵をあげながらダンプが通っていくことについての認識を奥の区民に伝えられなかった。港湾法との関係でどうなるのか、新たな事態が出てきているので、対処をしっかりやっていきたい」
海上搬送開始に対して「県との協議が整うまでは実施しないよう行政指導していたが、県の行政指導に従うことなく、拙速に海上搬入したことは極めて残念」
市民から反発が高まっていることに対して「県民からの声は私自身がその声の気持ちと全く一緒。私自身もじくじたるものがある。公約違反ではないかというのも当然率直な気持ちとして出てくるのは否めない」
埋め立て承認の撤回の時期について「私の責任でやる。明日か1ヶ月後かは、国家権力の大きなものと対峙している時に時期まで明示しながらやるのは今考えていない」
翁長知事は誠実で強いリーダーシップを持つ政治家である。しかし、今回の判断が甘かったことは知事も認識したようだ。
では使用許可を出した問題点はどこにあるのだろうか、と問いかけてみる必要がある。報道された情報から判断すると、県側の法解釈の姿勢にあるのではないかと、ぼくは考える。まず、県が奥港の使用を許可した経緯を見てもらいたい。
6月26日 北部土木事務所に対し、奥港の岸壁と港湾施設用地の使用許可申請が提出される
7月11日 使用許可申請への対応について北部土木事務所から港湾課に相談
7月~8月 使用許可申請への対応について弁護士に相談
8月15日 弁護士から、港湾関係法令に基づき判断すべきであり、申請者に帰責事由がない場合に不許可にするのは難しく、判断の保留も難しいとの助言を受ける
8月28日 港湾課から北部土木事務所に対し、港湾関係法令に基づき処理するよう伝達
9月4日 北部土木事務所において使用許可
この経緯を見ると、県港湾課は使用許可申請への対応にについて、弁護士に相談し、その助言に従って、北部土木事務所に使用許可を認定したことがわかる。
そして弁護士の助言は、あくまでも港湾関係法令を原文通り解釈したものであり、それ以上でもそれ以下でもない。ここには辺野古新基地建設を認めない県政の方針は考慮されていない。つまり、何が言いたいかと言うと、法令の解釈の最終判定は裁判所に委ねるべきであり、弁護士の助言だけで判断ないし結論を下してはならない、と言うことだ。助言は助言であって、参考にすることはあっても、県としては、あくまでも新基地阻止の立場を貫いて認可を拒否すべきであった。
それで政府が県を訴えて、裁判に持ち込めば、県は恐れることなく毅然と受け止めて、裁判で堂々とその正当性を争えば良いだけの話だ。すくなくとも公判中は、奥港の使用は不可能となる。ゆえに、今回の県の担当職員とそれを了承した翁長知事の判断は思慮に欠けるものであったと断言したい。政治的思慮の欠落が蟻の一穴になり、取り返しのきかない大事に至ることがある、と認識すべきだろう。
今朝の沖縄タイムスはWEBで次のような記事を掲載している。
<山城共同代表は、奥港で13日以降、業者の台船が接岸しダンプカーが護岸建設用石材を積み込んでいることに、市民から不安や懸念が広がっていると指摘。県が使用許可を出したことに「理解できない。知事を支えてきたが、この状況が続けば民心は離れてしまう。撤回すべきだ」と強い口調で訴えた。
応対した謝花知事公室長は、許可は弁護士と相談し港湾の関係法に従って判断したと説明。翁長雄志知事も了解していることを伝え、「不許可にすれば、結果として県が法令を守らないのかと指摘されかねない。新基地建設を造らせない考えに揺るぎはなく、皆さんの意見は知事に伝える」と答えた。>
謝花知事公室長は「不許可にすれば、結果として県が法令を守らないのかと指摘されかねない。」ことを恐れて許可した。こんな役人根性で臨んだら、辺野古闘争に敗北するのは火を見るよりも明らかである。県の立場が辺野古新基地阻止にあるならば、いかなる許可申請も認可してはならない。
知事の最終決断となる埋め立て承認の「撤回」に対して、政府は必ず裁判に訴えてくることは間違いない。その意味で、辺野古闘争は裁判闘争にならざるを得ない。それに勝利するために可能な限り、有利な条件を揃えることは当然のことだが、法令を杓子定規に解釈して、はじめから匙を投げるようなことがあってはならない。
結論。辺野古新基地建設に関する許可申請は全て拒否すること。そして、その最終的判定は裁判所に委ねること。その裁判闘争において、県は最大限努力すること。そして知事と県民が一体となって、政府の不条理で理不尽な圧力に対して、強い姿勢で臨むことが大事である。