沖縄よ! 群星むりぶし日記

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共産党を支持しないぼくが何故、赤嶺政賢氏に投票するのか

ぼくは那覇市に住んでいるから選挙区割りは沖縄1区になる。今回の衆議院選では3名が立候補している。維新の下地幹郎氏、共産党赤嶺政賢氏、自民党国場幸之助氏の3名である。当然のことながら、三氏とも故郷沖縄を思う心は強い。しかし、政策の違いで所属する政党が異なるという厳しい現実がある。
誰に投票するかをいう前に、とりあえず三氏の政治姿勢に対するぼくの見解を述べたい。まず、国場幸之助氏。
彼についてまず思い起こすのは、4年前、辺野古移設反対の立場から容認する立場に変ったあの歴史的事件である。当時の石破幹事長が記者会見しているその斜め後ろで、県選出の自民党国会議員全員が雁首を揃えて簡易椅子に横並びに腰掛けさせられ、全員がうなだれた表情で、子供をたしなめる親のような石破幹事長の説教を聞いているあの場面である。石破幹事長は、5人全員に辺野古容認を迫ったのだった。容認しなければ、党から除名するぞ、というわけだ。除名を免れるためには、幹事長の恫喝に従うしかない。
しかし、その代償はあまりにも大きすぎた。県民は裏切られたと思い、怒りの声をあげた。
西銘恒三郎、島尻安伊子、宮崎正久、国場幸之助比嘉奈津美の5氏がその時の自民党所属の沖縄選出国会議員だった。参議院議員の島尻安伊子を除く4氏は3年前の衆議院選挙で全員落選したが、比例で拾われた。去年の参議院選挙では島尻安伊子は落選している。

しかし、どこに恥をかき捨ててきたのか、西銘恒三郎、宮崎正久、国場幸之助比嘉奈津美の4名は今回も立候補している。辺野古容認を提げたままでだ。
信念を貫き通すことのできない政治家は表舞台から早々に消えてもらいたい。代わりはいくらでもいるのだから。辺野古新基地建設反対は県民の大多数の意思である。ぼくもその中の一人である。国場幸之助は落選させるべきだし、比例復活もあってはならない。
さて、下地幹郎氏。
ぼくは、政治家としての下地幹郎氏を高く評価している。実は14年ほど前、『沖縄自立新聞』を個人で始めた頃、第2号で下地幹郎氏にインタビューを行い記事にしたことがあった。当時氏は自民党に籍を置き精力的に活動していた。インタビューしていても、ぼくより年の若い政治家の熱い想いと情熱がひしひしと胸に迫ってきた。
ぼくは、下地幹郎の陽気でエネルギーに満ちた性格に完全に魅了された、と言って良い。この政治家は将来、きっと大物になるに違いないと思った。テープ起こしをして仕上げた記事は自慢できるものに仕上がったと自負する。しかし、広告が取れない。どれほど頑張っても広告を集めることができない。唯一の収入源である広告が取れなければ、新聞を発行するのは不可能だ。個人で運営することの限界であり、悲劇でもある。涙を飲んで諦める他なかった。『沖縄自立新聞』は創刊号だけの幻の新聞になってしまった。
しかしそれでも、ぼくは今でも下地幹郎には政治家として期待している。沖縄のためにこれからも大いに汗を流してくれると信じる。それでは何故、下地幹郎に一票入れるのを躊躇するのか?
それは彼が所属する日本維新の会辺野古移設を容認しているからだ。下地氏自身の態度は曖昧で容認か反対か明確ではない。だからぼくは下地幹郎に一票入れないことに決めたのだ。しかし、比例は維新の会に入れるつもりだ。選挙区で落ちても、下地幹郎には比例で復活してもらいたいのだ。辺野古問題を除けば、ぼくは維新の会の政策にほとんど賛成の立場である。身を切る改革、政権与党に是々非々の立場で対峙する責任ある野党の立場。政治家を含め公務員をタックスイーター、納税者をタックスぺイヤーと規定してタックスイーターとしての公務員は身を正すべきだとする政治哲学。そんな日本維新の会の政治姿勢には大いに共感できる。
創始者橋下徹の遺産が大きいのだろう。しかし、辺野古容認はいただけない。橋下氏は最近安倍首相の例の九条に3項を加えて、自衛隊を明記する憲法改正案にも賛成している。ぼくは、先日当ブログでそんな橋下氏を「橋下徹には失望した」とのタイトルで批判したことを付け加えておきたい。
最後に共産党赤嶺政賢氏。
ぼくは共産党を幼稚な政党だと思っている。と同時にある面では感心できるところもある。その幼児性は安全保障政策だ。何が何でも憲法9条死守。嵐が吹こうがミサイルが飛ぼうが、とにかく九条死守。これを幼稚と言わずなんと言おう。共産党員の方々は、就寝時に戸締りはしないのだろうか?アパートの住人の良心を信じてドアに鍵をかけずに仕事に出かけるのだろうか?そうではあるまい。志位委員長始め、幹部連中は特に、自宅を出る時は、厳重に戸締りをしてから外出するはずだ。
国家だって同じことだ。外国の侵略に対してはしっかりとした戸締りを施す。一般家庭の鍵や防犯カメラを国家レヴェルにしたのが軍隊である。こんな簡単な理屈がわからない共産党はまるで子供のようである。そしてもうひとつ。共産党ほど頑固な政党はないということだ。年から年中、朝から晩まで大企業批判ばっかりして飽きることがない。経済政策もまるで子供のママゴト遊びのようだ。だから今日に至るまで、少数政党の域を出ることがないのである。名誉の万年少数政党!
しかし、感心できる面もある。それは他の政党と違って、政党助成金を受け取らない唯一の政党であるということだ。そして、企業献金も一切受け取らない。これは称賛に値する見事な信条である。この共産党の姿勢を他の政党は見習うべきではないか。
さて問題の多い共産党ではあるが、ぼくは赤嶺政賢氏に一票入れることに決めた。その決め手はただ一点。辺野古新基地建設に赤嶺氏は明確に反対しているという事実。ぼくは共産党を選択するのではない。選挙区は赤嶺政賢氏、比例は維新の会に入れて下地幹郎に復活してもらう。
オール沖縄は革新と一部の保守で構成されている。特殊な政治環境にある沖縄県民の知恵が働いた結果だと言える。3市長選挙で連敗した反省から、翁長県政を支える保守派の「にぬふぁぶしの会」も結成された。そして革新側もイデオロギーは腹六分目に抑えて翁長知事を支えてもらいたい。特に共産党イデオロギーを前面に出すのではなく、アイデンティティーこそを前面に押し出してほしい。