沖縄よ! 群星むりぶし日記

沖縄を、日本を、そして掛け替えのない惑星・地球を愛する者として発信していきます。

勇馬氏に答える(7月6日の当ブログのコメントに対して)

勇馬様。論点はただ一つ、沖縄に海兵隊を駐留させる軍事的必然性があるかどうかです。ないとする私に対し、依然として貴方は多少の疑問を提示しています。今回のコメントにおける貴方の見解に触れながら私見を述べたいと思います。
1.貴方は元航空自衛官、数多久遠氏の見解に賛意を示しつつ、少なくとも無視できない有力な見方であろう、と述べています。確かに、数多氏の分析には無視できないところがあります。私は完全に氏の見解を否定はしません。しかし、正直なところ、疑問を感じざるを得ないのも事実です。まず、台湾海峡危機に関してです。約20年前、中国共産党は台湾の李登輝総統を脅迫する目的で、台湾に向けてミサイルを発射しました。この時、中国共産党の野心を挫折させた直接的要因は、米軍の第七艦隊を主力とする航空母艦群が台湾海峡に陣取って、中国に睨みを効かしたからでした。在沖海兵隊が駆けつけたからではありません。数多氏は、台湾有事に備えて、海兵隊が沖縄に駐留する意義を説いていますが、彼はそもそも、海兵隊が沖縄に配備される前は、本土に駐留していた事実を知っていて発言しているのでしょうか?1957年に起きたジラード事件やその他の米軍基地あるゆえに生じた事件・事故が原因で地元住民による米軍基地反対運動が強まるということがありました。そのため日本政府と米国政府は危機感を強め、種々曲折した議論を経て、最終的に海兵隊を沖縄へ移転することに決めたのです。つまりそれまでは海兵隊は本土駐留でも良かったのです。地元住民による反基地運動が起きなければ、そのまま駐留し続けたでしょう。この歴史的経過だけを考えても、海兵隊は沖縄でなければならないとする主張に確たる根拠がないことがわかります。ではなぜ沖縄に白羽の矢を立てたのか。それは、当時の沖縄が米国政府の統制下にあったからです。つまり沖縄なら移転しやすい。
米国は沖縄県民(当時は県民ではなく、沖縄人)に押し付ける強行策に出たのです。実際、沖縄では「島ぐるみ闘争」と呼ばれる熾烈な反基地運動が起きました。しかし、本土で反対運動が起きた時と違い、日本政府は沈黙を決め込み、海兵隊移転は強行されたのです。この歴史的経過を考慮するなら、数多氏が在沖海兵隊は、台湾有事の際の人質として有用であるとする主張は、後付けの論理にしかすぎず、説得力としては非常に脆弱である、と言いたい。
「アメリカが、台湾への肩入れを止めるならば、沖縄に海兵隊を置いておく必要はありません。国外への兵の駐留は、アメリカにとっても負担ですから、当然に撤退することになるでしょう。ただし、その結果、台湾が中国に取り込まれた後、沖縄がどうすべきかも考えておく必要があります。その時は、沖縄が最前線ですが、アメリカが人質を置いてくれるかどうかは分かりません。台湾放棄論・沖縄放棄論が出ることも考慮しておくべきです。」
と数多氏は述べていますが、とても元航空自衛官の発言とは思えません。国外の駐留は米国にとって負担だと言っていますが、財政的負担のことだとすれば、在日米軍は世界中に存在する米軍の中で、その負担率は最も低いはずです。前防衛大臣中谷氏によれば、在日米軍の約85%の駐留経費を日本政府が負担しているとのことです。これだけ面倒見が良ければ、在日米軍が自主的に撤退することは考えにくい。そして台湾が中国に取り込まれた後、沖縄が最前線になり、その際、台湾放棄論・沖縄放棄論が出ることも考慮しておくべきだとも述べていますが、どうしてこのような発想になるのでしょうか。確かに我が国から全米軍が撤退し、東シナ海の海底を遊弋しているであろう米原子力潜水艦も姿を消せば、そうなる可能性は大いにありうるでしょう。しかし、数多氏が言及しているのは、沖縄から海兵隊が撤退したらという仮定です。それだけで、つまり沖縄から海兵隊が撤退しただけで台湾放棄論・沖縄放棄論が出てくるのでしょうか?とても信じ難い。何故なら、沖縄から海兵隊が撤退しても、嘉手納空軍基地も、第七艦隊も、原子力潜水艦も、そしてもちろん我が自衛隊もそのまま存在するからです。これだけ強靭・強力な抑止力がありながら、台湾放棄論・沖縄放棄論が出てくる理由が理解できません。いくら元航空自衛官とは言え、思慮に欠ける発言と言わなければならないでしょう。
自衛隊が国軍として(いかさまの自衛力ではなく戦力として、警察力ではなく軍隊として)認知され、米軍に置き換わるまでの沖縄と日本の防衛は遺憾ながら米軍に頼らざるを得ないのが現実ではないでしょうか。台湾が盗られれば次は沖縄です。」
勇馬氏は、そう述べています。しかし一体、米軍に頼らざるを得ない状態は、この先いつまで続くのでしょうか?20年でしょうか、50年でしょうか?私の考えでは、辺野古新基地が完成したら、日本の真の独立は100年遅れると思います。そうさせてはならないから、中国共産党に対する必要不可欠な抑止力を維持しつつ、同時に国策を自主防衛路線に転換させるべく、大声で叫び続ける必要があると言っているのです。沖縄に海兵隊を駐留させる軍事的必然性はありません。海兵隊の機能を考えるなら、九州でも四国でも構わないのです。我が国が真の独立国家になるまでは、日米安全保障条約が必要というならば、その基地負担は全国で公平に担うべきでしょう。沖縄県民が訴えているのはこの一点です。
2.多くの識者が言っているように、尖閣防衛に海兵隊の出る幕はありません。小さな無人島に兵隊を上陸させても、戦闘機から発射されるミサイルの餌食になるだけです。
3.私は、沖縄に海兵隊が駐留する軍事的必然性はないと確信しているので、普天間飛行場辺野古への移設は容認できません。
4.「翁長知事が同じ国家の外交問題である尖閣辺野古で矛盾した行動をとっていることに関して、「私は、先日の返信で、この件に関しては十分論を尽くした」と答えておられますが、恐縮ですがどの箇所か再言して頂けないでしょうか?」
勇馬氏が田母神氏に言及した折、以下のように私見を述べました。これで十分論を尽くしたと考えた箇所です。
「“米軍普天間基地辺野古移転に対する翁長沖縄県知事の対応はどこまでも政府の方針に反対である。これほどまでに日本政府に反対のこぶしを振り上げる理由は何なのか。沖縄県知事は日本の安全保障に責任を持てない。知事は尖閣周辺で無法を働く中国船などについては何の発言もしない。” 田母神氏は、確かに軍事に関しては専門家です。しかし、全知全能の神ではありません。田母神氏の発言には論理の矛盾があり、沖縄に対する無理解があります。「 沖縄県知事は日本の安全保障に責任を持てない。」のであるならば、どうしてその知事が領有権を争って一触即発の危険を孕む尖閣問題で、中国政府を非難できるのでしょうか?知事の一言が事態をさらに悪化させることだって十分に考えられる。一市民ならいくらでも批判できるでしょう。現にネット空間では非難合戦が繰り広げられています。しかし、県民の責任を背負う立場にある県知事に果たしてそんなことが許されるのか、大いに疑問です。尖閣問題は、日本政府と中国政府との安全保障問題そのものではないですか。自衛隊を指揮監督する日本政府が責任を持って対応すべき政府の専権事項です。
仮に翁長知事が中国船の無法ぶりについて発言したとしましょう。それで中国共産党の政策が変わるとでもいうのでしょうか?翁長知事は中国共産党の政策を変えさせるほどの大物政治家でしょうか?是非そうあって欲しいものですが、現実はそうではありません。むしろ中国を名指しで非難すべきは、絶大な権力を有する日本政府ではないですか。 「 米軍普天間基地辺野古移転に対する翁長沖縄県知事の対応はどこまでも政府の方針に反対である。これほどまでに日本政府に反対のこぶしを振り上げる理由は何なのか。」 理由ははっきりしています。多くの県民が辺野古移設に反対だからです。その県民が翁長知事を支持しているからです。我々沖縄県民は、3年前の選挙で36万票対26万票という圧倒的票差で翁長知事を選んだのです。民主主義社会において、この事実は重い。政府は沖縄県民の意思を尊重すべきです。田母神氏の言い方は、まるで政府の方針だから反対しているのだ、のように聞こえるが、政府の正しい方針には賛成し、正しくない方針には反対する。民主主義国家では当たり前のことで、他の自治体も同じではないかと思うのですが、どうでしょうか?」
5.沖縄に海兵隊が駐留する軍事的必然性はないと確信しています。従って、辺野古闘争に身を投じることが、中国共産党の利益につながるとは思いません。
「チャイナマネーの流れは極秘裏に行われているため具体的に説明できませんが日本社会党飛鳥田、土井、浅沼らにソ連のカネが渡っていたことは暴露されました。公安が密かに把握することを同時代に公表することはありません。」
と勇馬氏は先日の私の質問に答えておられる。非常に残念です。具体的に説明できないのに、勇馬氏は、沖縄の反基地闘争にはチャイナマネーが間違いなく流れている、と断定されたのですか?なんら根拠のないデマを信じたとしか思われません。
「闘争現場にハングル文字があったことは韓国朝鮮人がデモに参加している証ですが、Kinbushi様がそれを歓迎されるのは何故でしょう。」
私は確認していませんが、仮に韓国朝鮮人がデモに参加しているとして、何か不都合なことでもあるのでしょうか?彼らが北朝鮮工作員なら当然容認できないどころか、現場から追い出されるでしょう。しかし、良心的韓国人なら大歓迎です。現場には退役米軍人の方も来ます。おかげで私は、その一人である『経済成長がなければ私たちは豊かになれないのだろうか』の著者ラミス氏を知ることになりました。2度辺野古行きのバスで同乗し、言葉を交わしたことがあります。高齢のためか、最近は見かけませんが。韓国人だろうが、アメリカ人だろうが、辺野古闘争に参加する良心的人間は誰だろうと大歓迎です。勇馬氏も是非参加してほしいものです。当然、大歓迎されることでしょう。百聞は一見に如かず。
6.私は勇馬氏とは違い、現在の日本の大多数は衆愚国民とは思いません。身の回り全てが師であると考えることにしています。従って当ブログを啓蒙のためと考えたことは一度もないのです。自分がこれまで考えて来た様々なことを、少しづつ整理できたらと思い、拙い文を綴っているに過ぎません。日々、自問自答を繰り返しています。自問自答こそ本物の学問である、というようなことを確か、小林秀雄本居宣長の講演で語っていた、と記憶にあるのですが、勿論、そのような大げさな気分ではありません。
7.私は民主主義のなんたるかを、西部邁氏から学んだように思います。西部邁ゼミナールは面白い番組で毎週見ています。YouTubeはすごいですね。テレビで放映されない貴重な情報を得ることができるのですから。ところで、勇馬さんはブログを開設しているとのことですが、良かったらブログ名を教えて頂けませんか?


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