沖縄よ! 群星むりぶし日記

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ますます遠ざかる北方領土

国後島にロシアの新駐屯地ができ、将校住宅や訓練施設が続々と建てられ、北方領土の要塞化が急速に進んでいる、と産経新聞が報じている。

国後島に射程130キロの「バル」、択捉島に射程300キロの地対艦ミサイル「バスチオン」が配備されたことも明らかにしている。

昨年暮れの日露首脳会談を振り返って見ると、その評価はともかくとして、何よりも、安倍首相の熱の入れように比べて、プーチン大統領は割と冷めていたのではないか。

安倍首相は地元旅館で、念の入ったもてなしをし、会談終了後、同旅館の温泉に浸かって、旅の疲れを癒すよう勧めたものの、プーチン大統領が温泉を利用することはなかった。

そして、会談内容といえば、日露経済協力をどう推進していくかにほとんどのエネルギーが費やされ、北方領土返還交渉の「へ」の字も出なかったことを思えば、明らかにプーチンの技ありであった。

安倍首相とプーチン大統領の政治家としての度量の差をまざまざと見せつけられた思いがする。「ウラジミール」とファーストネームで呼ぶ首相の姿は、不自然でしっくりしない感じがして、見るに忍びず気の毒なくらいであった。

ぼくはことさら、安倍首相の外交能力にケチをつけるつもりはない。おそらく今の日本では、誰が首相になっても、国民に自慢できるような外交は期待できないだろう。ただなぜそうなのか、理解しようとしない首相の鈍感さに警鐘を鳴らしたいだけだ。

日米安全保障条約のもと、強大な米軍基地が我が国に存在すること自体が、ロシアにとって脅威である以上、自国防衛のため、プーチン北方領土返還交渉にそうたやすく乗ってこないのは、ぼくのような素人にも分かり切ったことなのに、なぜ外務省も安倍首相も理解しないのだろうか。

プーチンを説得して、本格的な交渉に引きずり出すには、まず我が国が自主防衛路線に大きく舵を切ること、そして在日米軍基地をできるだけ縮小して、ロシアの脅威を取り除くこと、これ以外に第一歩を踏み出すことができるはずがない。

辺野古移設が唯一だと繰り返す今の安倍内閣では、到底無理なことは十分承知の上だが。