沖縄よ! 群星むりぶし日記

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トランプ大統領施政方針演説をチャンスと捉えよ!

トランプ大統領の演説で最も注目すべき箇所は、次のところである。" I don't represent for the world. I work for the United States of America. "

私は世界の代表者ではない、アメリカ合衆国のために働くのだ、という意味だろう。つまり、今までのように、他国に軍事介入はしない、自国の利益を第一に考えて仕事をする、だから世界各国も自国のために働くと良い、と言っているのだ。

これは、彼が大統領就任前に著した「 crippled America 」(身動き取れないアメリカ)という本の中で、イラク戦争に反対して、もしアメリカがイラクに侵攻したら、それは取り返しのつかない災難をもたらすだろう、と予言したことと呼応している。

そして、彼の予言は見事、的中した。現在のISISは米軍によるイラク破壊の結果であり、中東情勢は現在、目を背くような状況である。あのベトナム戦争での米国の戦争犯罪を裁くために、英国のラッセル卿の呼びかけでジャン・ポール・サルトルを議長とするラッセル法廷が開かれたことがあった。

法廷が下した判決に強制力はなかったが、世界の大思想家たちの良心的決断に胸を撫で下ろした人々は少なくなかったはずである。その時サルトルは、世界で最も貧しい農業国であるベトナムに対する、世界で最も豊かな米国の軍事作戦の性格は、ジェノサイド(民族皆殺し)であると断じた。

今、ラッセル卿やサルトルのような大思想家がいたら、イラク戦争における米国の戦争犯罪を裁く法廷が開かれてしかるべきであるが、いかんせん、科学の進歩に反比例して、思想家も小粒になってしまった。しかし、それでも世界中の良識派はイラク戦争における米国の犯罪を告発すべく、国際法廷を開催するべきだろう。

トランプ大統領は、そのような見解に立った上かどうかは判然としないが、とにかく最早、米国は他国に対して、米国型民主主義を押し付けるようなことはしないと断言した。アメリカファーストはそのように解釈すべきだろう。

さて、我が政府はこのトランプ大統領の表明に対して賢明に対処する必要がある。在日米軍を大幅に削減して、自主防衛路線へと大きく舵を切る良い機会である。完全撤退は当面の間、無理であるから、嘉手納空軍基地と横須賀第七艦隊だけ残して、他は全て撤退・返還させるべきである。

このふたつの基地だけでも巨大な規模を誇る軍事施設であり、強力な抑止力を維持することができる。そして、近い将来、自衛隊を国軍に格上げすることを見越して、自主防衛の方向へと予算を大幅に増やすことだ。

安倍総理は、この提言を正直に真正面から国民に訴えれば、大多数の国民は納得するであろう。この千載一隅ともいうべきチャンスを生かすも殺すも、安倍総理、あなたの政治決断にかかっていることを自覚して欲しい。