沖縄よ! 群星むりぶし日記

沖縄を、日本を、そして掛け替えのない惑星・地球を愛する者として発信していきます。

安倍内閣の危機管理能力のお粗末さ

昨日の午前の参議院予算委員会で、安倍総理は「北朝鮮による弾道ミサイル発射は安全保障上の重大な挑発行為だ。安保理決議に明確に違反するものであり、断じて容認できない。北朝鮮に対し、厳重に講義を行うとともに、強く批判した」と述べたが、従来繰り返されてきた発言の域を超えていない。

そして、福山民進党議員がNSCを直ちに開催するべきではないかと問いただすと、与党議員が賛成したため、予算委員会が一時休憩に入るという一幕があった。

いかに国会審議が重要とはいえ、緊急時に於いて野党議員から促されて、NSCを開催するとは、安倍内閣の危機管理の本気度がどの程度のものか、テレビ中継を見ていた多くの国民は理解し、そして落胆したのではないだろうか。

安倍総理はミサイル発射の報告を受けた時点で、12時開催の予定を変更してでも、自らの判断で直ちにNSCを開催するべきであった。

そこでどのような話し合いがなされたかについては知る由もないが、NSC終了後の安倍総理の記者会見の内容を産経ニュースが以下のように伝えている。

《 政府は6日、北朝鮮の弾道ミサイル発射を受けて国家安全保障会議(NSC)の関係閣僚会合を首相官邸で開き、警戒態勢を強化する方針を確認した。安倍晋三首相は参院予算委員会で「さらなる挑発行為に備え、情報収集、警戒監視に当たるとともに、国民の安全と安心の確保に万全を期す」と述べた。

首相は(1)情報収集に全力を挙げ、国民に迅速、的確に情報提供(2)航空機や船舶の安全確認徹底(3)不測の事態に備えた万全の態勢-の3点を政府内に指示。参院予算委員会で「漁船操業の可能性があり、極めて危険な行為だ。米国と緊密に連携して情報収集、分析に当たっている」と強調した。

岸田文雄外相は、国連安全保障理事会の決議違反だと非難した。安保理に強いメッセージを出すよう求め、昨年の北朝鮮制裁決議に同調した中国にも完全履行への協力を求める考えを記者団に表明した。外務省の金杉憲治アジア大洋州局長は、米国務省のジョセフ・ユン北朝鮮担当特別代表と電話会談し、緊密に連携していくと確認した。》

この記事を読んで愕然とするのは、一人ぼくだけではないだろう。何故政府はもっと強硬なメッセージを発信できないのか。例えば、「防衛予算を倍増する」「敵地攻撃ミサイルを早急に配備する」「我が国の排他的経済水域にミサイルを撃ち込んだら、先制攻撃も辞さない」等々、自国の防衛はまず、自国が主体となってやる姿勢を示すべきではないか。あいも変わらず他力本願的姿勢のままでは、世界の笑い者になるだけでなく、シナ、北鮮から舐められるだけである。

 

 

安倍昭恵夫人の道徳心の浅ましさ

総理大臣の妻が、公人か私人かを問う議論が国会で展開されたが、明確に定義されることはなかった。そんな議論よりも、昭恵夫人森友学園の名誉校長になった事実だけをとりあげて、そのことがどのような問題を孕んでいるか、野党議員には追及して欲しかった。

夫人が森友学園を訪問した時の映像を、フジテレビ系が配信している。ぼくもその動画を見たが、学園の教育方針がいかに異常であるか、そしてそれに同調する総理夫人はいったいどのような精神の持ち主なのだろうかと、疑問に思い、身の毛もよだつ感じがした。

総理夫人と籠池理事長、両人に対し、幼稚園児達が「日本国、日本国のために活躍されている安倍晋三内閣総理大臣を、一生懸命支えていらっしゃる昭恵夫人、本当にありがとうございます。ぼくたち・わたしたちも頑張りますので、昭恵夫人も頑張ってください」

と大きな声で話す場面があるが、これを学校側が仕組んで園児達に無理強いさせているのは明らかである。このような内容を幼稚園児が自発的に考えて話すはずがない。

誰でも気づくことなのに、総理夫人は涙ぐんで、「感動しちゃいました」と感想を述べている。そして、国会審議の中で、安倍総理は野党議員の質問に答えて「妻は名誉校長を引き受けるつもりはなかったが、その場の雰囲気で引き受けざるを得なかったと聞いている」旨の発言をしていた。

それが事実なら、昭恵夫人は意志の弱い人間だと言うことになる。だとすれば、総理夫人が名誉校長の肩書きを持つことが、周囲にどれだけの影響を及ぼすか、予見する能力も欠けていたに違いない。

これだけでも問題の多い人格だと思うが、さらに驚くべきことは、学園の教育方針に賛同していることである。この森友学園では、幼稚園児達に教育勅語を暗記させているのだ。これは幼稚園児にとって、教育上、全く無意味であるどころか、有害でさえある。

教育勅語は、明治二十三年10月30日に公布された。以後、国民道徳の基準となるが、その内容は格式の高い文章で綴られていて、現代の大学生でも読んで直ぐにその真意を理解するのは容易でない。

「朕惟ふに、我が皇祖皇宗國を肇むること宏遠に、徳を樹つること深厚なり。」

最初の文章であるが、これだけでもスラスラと読めて意味が完全に理解できる人は少ないのではなかろうか。これを平成の世の幼稚園児に暗唱させるのは、ほとんど精神的虐待にしかならない。道徳的躾をするなら、他に方法はいくらでもあるはずだ。例えば小野田自然塾などは、一つの良い例である。

遊び盛り、伸び盛りの幼稚園児たちに、大人に都合の良い私利私欲を植え付けてはいけない。後々復讐されるのは我々大人の側である。

《  FNNは、2014年4月、昭恵夫人が、渦中の森友学園が運営する幼稚園を訪問した時の映像を入手した。
その隣には、森友学園の籠池泰典理事長の姿もある。
籠池理事長「中国から、何? 言って」
園児「中国から鉄砲とかくるけど、ぜったい日本を守ろう」
籠池理事長「安倍総理大臣を応援してあげてくださいよ!」
園児「はい!」
昭恵夫人「ありがとう。おうちに帰って安倍総理大臣に伝えます。みんなを守りますように、みんながそう言っていたことを伝えます」
籠池理事長「うれしいですか?」
園児「はい!」
籠池理事長の話は、さらに。
籠池理事長「『日本を守ってください、お願いします』と、昭恵夫人にきちんと伝えてください」
園児「日本を守ってくださいね」
昭恵夫人「ちゃんと伝えます。ありがとう」
昭恵夫人は、満面の笑みを見せた。
そして、子どもたちと集合写真を撮っていた。》

森友学園の籠池泰典理事長は政治的ゴロツキ野郎である

今朝の沖縄タイムスの記事。
沖縄県の翁長雄志知事は2日の県議会一般質問で、大阪市の学校法人「森友学園」の籠池(かごいけ)泰典理事長がホームページに掲載していた、知事に関し「中共の手先かもしれない」などとする書き込みに反論した。その上で「責任のある立場の方々は、事実関係を確認した上で発言するべきだ」と苦言を呈した。
籠池氏は知事に対して「親中華人民共和国派」「娘婿も支那の人」などと事実誤認の書き込みをしていた。知事は「私の娘は一度も中国に行ったことがない」などと強調。書き込みを報道で知ったとして「大変びっくりした。このようにして(誤った情報が)拡散していくんだなと思った。ネットに一度載ってしまったら、(印象が固定化され)大変なことになる」と述べ、不快感を示した。瑞慶覧功氏(おきなわ)の質問に答えた。》

《【東京】大阪府豊中市の国有地が、近隣国有地の約1割の価格で学校法人「森友学園」に売却された問題で、同法人の籠池泰典理事長が翁長雄志知事について「親中華人民共和国派、娘婿も支那の人。もともと中共に従いたいと心から思っているので、中共の手先かもしれない」と事実誤認の書き込みをしていることが分かった。同法人が運営する幼稚園のホームページ上の「平成27年度2学期 園長の部屋」のコーナーで籠池氏のコラムとして記載している。翁長知事は2015年の県議会9月定例会で、中国との関係に関する同様の質問に対し、家族のうわさを否定した。
沖縄に関し籠池氏は「米軍基地によって生活している人も多い。土地の権利者もいる。基地の場所を変更してほしくない人も多いので、辺野古移転は米軍が沖縄にいることを嫌がる人と、普天間基地の場所は危険なので基地を現場所から移転するだけで納得な人がいる。また、今のままでよいのではという人もいる」と持論を展開している。
同園に電話取材を申し込もうとしたところ、職員と思われる女性が「私ではお答えしかねる。失礼します」と述べ、連絡が取れなくなった。》

森友学園は幼稚園と保育園を運営する学校法人である。そして、籠池泰典はそこの理事長である。そのような人物が、翁長知事を貶める発言をしたこと自体が、信じられないし、不可解でもある。

しかし、情報を調べていくと、予想を超える恐ろしい学園の実態が浮かび上がってきた。遊び盛りの幼稚園児に教育勅語を教えているというのだ。教育勅語自体に限って言えば、ぼくは素晴らしい教えだと考える者の一人だが、それは基礎教養を身につけた成人が学ぶような深い内容の教えであって、幼稚園児・小学生に教えるのは相当無理があり、彼らがまともに理解できるはずがない。害にこそなれ一理もないであろう。学校側の身勝手な、園児に対する精神的虐待ではないか。

懸命な父兄はこのような学園に大事な我が子を預けてはいけない。直ちに他の普通の学園に移して、小学生になったら、できるだけ小野田自然塾のような野外教育を体験させて欲しい。遊び盛り、学び盛りにある子供達に必要なことは、彼らが生まれながらに持っている野生の感覚を、自然の中で全開させることによって得られる自発的学びの体験こそが、たくましい人間を育てると信じているからだ。

さて次に、フジテレビ系配信のニュースである。ぼくも映像を見たが、酷い内容である。これほど大人のエゴを園児たちに押し付けて良いはずがない。ほとんど犯罪に近い。全国の父兄は立ち上がって、森友学園を糾弾すべきだ。

昭恵夫人が涙 新映像入手
フジテレビ系(FNN) 3/1(水) 20:44配信
子どもたちの言葉に思わず涙。森友学園を訪れた際の新たな映像を入手した。
2014年4月、森友学園が運営する幼稚園で、園児たちが、「日本国、日本国のために活躍されている安倍晋三内閣総理大臣を、一生懸命支えていらっしゃる昭恵夫人、本当にありがとうございます。ぼくたち・わたしたちも頑張りますので、昭恵夫人も頑張ってください」と話すと、安倍昭恵夫人は「感動しちゃいました」と話していた。
子どもたちの言葉に、涙を見せる女性、安倍首相の妻・昭恵夫人
FNNは、2014年4月、昭恵夫人が、渦中の森友学園が運営する幼稚園を訪問した時の映像を入手した。
その隣には、森友学園の籠池泰典理事長の姿もある。
籠池理事長「中国から、何? 言って」
園児「中国から鉄砲とかくるけど、ぜったい日本を守ろう」
籠池理事長「安倍総理大臣を応援してあげてくださいよ!」
園児「はい!」
昭恵夫人「ありがとう。おうちに帰って安倍総理大臣に伝えます。みんなを守りますように、みんながそう言っていたことを伝えます」
籠池理事長「うれしいですか?」
園児「はい!」
籠池理事長の話は、さらに。
籠池理事長「『日本を守ってください、お願いします』と、昭恵夫人にきちんと伝えてください」
園児「日本を守ってくださいね」
昭恵夫人「ちゃんと伝えます。ありがとう」
昭恵夫人は、満面の笑みを見せた。
そして、子どもたちと集合写真を撮っていた。》

「日本国日本国民のために・・」のところは、園児たちがスラスラと大きな声で喋るので、学園側に暗記させられたことは明白である。相手は、総理夫人昭恵氏である。いたいけない児童を政治利用する身勝手な醜い大人達を許してはならない。

籠池泰典なる人物とはいったいいかなる者だろうか?ホームページに掲載された彼の「ごあいさつ」を見てみよう。文は人を語るという通り、彼の文章を丹念に読むと、その教養の浅いことがわかる。日本の素晴らしさを強調しているが、心に響くものは何もない。薄っぺらな美しい文の裏側に、政治ゴロの狡猾な人間の顔が浮かび上がる。

 《 総裁・校長 籠池 泰典

私たちは日本の歴史、それを裏打ちする自然・風土・慣習の素晴らしさを世界の人々に発信してゆく必要があります。小学校一年生よりの国際英語教育に親しみながら世界の国々の人たちと友人となり、国同士が友好関係を結ぶことは世界平和に寄与するとともに、人類の文化・文明を発達進化させることとなります。
それぞれの国の文化が、それぞれの国で進化し、さらに融合します。自らの国である日本の文化・歴史・伝統を知り、どっぷりと親しむことは日本人としてアイデンティティを形づくります。日本人としての立ち位置が明確になります。これは、小学生1、2、3年生でしておきたいことです。
基礎の部分さえ、きちんと要所、要所をおさせておけば、難解な高度な数学や理工学を学ぶ年代になっても、常に日本人としての誇りを忘れず、日本の為に活躍する人材となります。世界で歴史・伝統・文化の一番長い國である日本。その中で積み上げてきた日本人のDNAの中に「人のために役立つ」という精神が刻み込まれていますし、世界で一番混じりっけのない純粋な民族であります。真心・誠心・正直・おもてなしの気持ちが他の国の人たちより強く深いので、人の役に立つ人材が輩出されています。世界が羨むほどノーベル賞受賞者が多い理由でもあります。日本に生まれてきてよかったと思えば、学業にも力が入るものです。
どうぞ、皆様のお子様も入学して頂き、同じ志、思いを持った学友と学んでまいろうではありませんか。》

 

 

トランプ大統領施政方針演説をチャンスと捉えよ!

トランプ大統領の演説で最も注目すべき箇所は、次のところである。" I don't represent for the world. I work for the United States of America. "

私は世界の代表者ではない、アメリカ合衆国のために働くのだ、という意味だろう。つまり、今までのように、他国に軍事介入はしない、自国の利益を第一に考えて仕事をする、だから世界各国も自国のために働くと良い、と言っているのだ。

これは、彼が大統領就任前に著した「 crippled America 」(身動き取れないアメリカ)という本の中で、イラク戦争に反対して、もしアメリカがイラクに侵攻したら、それは取り返しのつかない災難をもたらすだろう、と予言したことと呼応している。

そして、彼の予言は見事、的中した。現在のISISは米軍によるイラク破壊の結果であり、中東情勢は現在、目を背くような状況である。あのベトナム戦争での米国の戦争犯罪を裁くために、英国のラッセル卿の呼びかけでジャン・ポール・サルトルを議長とするラッセル法廷が開かれたことがあった。

法廷が下した判決に強制力はなかったが、世界の大思想家たちの良心的決断に胸を撫で下ろした人々は少なくなかったはずである。その時サルトルは、世界で最も貧しい農業国であるベトナムに対する、世界で最も豊かな米国の軍事作戦の性格は、ジェノサイド(民族皆殺し)であると断じた。

今、ラッセル卿やサルトルのような大思想家がいたら、イラク戦争における米国の戦争犯罪を裁く法廷が開かれてしかるべきであるが、いかんせん、科学の進歩に反比例して、思想家も小粒になってしまった。しかし、それでも世界中の良識派はイラク戦争における米国の犯罪を告発すべく、国際法廷を開催するべきだろう。

トランプ大統領は、そのような見解に立った上かどうかは判然としないが、とにかく最早、米国は他国に対して、米国型民主主義を押し付けるようなことはしないと断言した。アメリカファーストはそのように解釈すべきだろう。

さて、我が政府はこのトランプ大統領の表明に対して賢明に対処する必要がある。在日米軍を大幅に削減して、自主防衛路線へと大きく舵を切る良い機会である。完全撤退は当面の間、無理であるから、嘉手納空軍基地と横須賀第七艦隊だけ残して、他は全て撤退・返還させるべきである。

このふたつの基地だけでも巨大な規模を誇る軍事施設であり、強力な抑止力を維持することができる。そして、近い将来、自衛隊を国軍に格上げすることを見越して、自主防衛の方向へと予算を大幅に増やすことだ。

安倍総理は、この提言を正直に真正面から国民に訴えれば、大多数の国民は納得するであろう。この千載一隅ともいうべきチャンスを生かすも殺すも、安倍総理、あなたの政治決断にかかっていることを自覚して欲しい。

アメリカのポチ、面目躍如なり「沖縄に内なる民主主義はあるか」批判 6

今回は「リチャード元米統合参謀本部議長我部政明琉大教授のずれ(2012・02・13)」というタイトルで論じた文章の中から核心部を引用して、批判したい。

<戦争の形も内容も時代とともに変化していく。見えない敵。市街戦。仕掛け爆弾。自爆、ジャングル戦等々、今の戦争はテロとの戦いだ。『敵前上陸』なんていつの時代の話なのだ。時代錯誤もはなはだしい。

今、海兵隊がアジアで行っている戦略は、中国の周辺国の軍事力を強くして、中国が紛争を仕掛けてこないようにすることだ。紛争、戦争を未然に防ぐために沖縄の海兵隊はアジアに出かけている。海兵隊のアジア戦略は沖縄が拠点である。拠点の沖縄に海兵隊のヘリコプター基地は必要だ。

アメリカが兵士9000人のグアム移動、嘉手納飛行場以南の米軍基地の撤去と辺野古移設をパッケージにしたのはどうしても海兵隊のヘリコプター基地が必要だったからである。アメリカの目的は海兵隊員9000人のグアム移動、嘉手納飛行場以南の米軍基地の撤去ではなく、普天間基地辺野古移設だったのだ。

アジアに背中を向けているためにアメリカの真意も知らないで、「しかし、普天間の危険除去は96年の合意以来、米軍再編問題の要である」とアメリカの考えとはかなりかけ離れたことを我部氏は言い、「引き続き、普天間の行方が問題解決の鍵を握っている状況に変わりはない」と共産党一党独裁の中国が存在する限り、沖縄にヘリコプター基地を設置しないわけにはいかないアメリカの事情を我部氏は全然理解していない。

アメリカ人のリチャード・マイヤーズ氏のほうがアジアの政情に詳しくアジアに紛争や戦争が起こらないように考えていて、アジア人の我部政明氏はアジアに背を向けてアメリカや日本政府に文句を言っている。>

このように主張する人間の祖国は米国に違いない、と思われても決して不思議ではない。これほど米軍の側に寄り添う言論を展開するウチナーンチュを、ぼくは他に誰一人として知らない。彼は本当にウチナーンチュなのだろうか?先祖代々沖縄の伝統文化の中で生まれ育ち、それなりの教育を受けた人間の言葉とは、到底信じられないのである。又吉(ヒジャイ)は、自身のブログの冒頭で、「私はウチナーンチュである前に人間でありたい」と書いている。

ウチナーンチュであるのは嫌だと言っているのと同じことで、さらに続けて民主主義思想家になりたい、とも言っている。言葉を変えて言うと、近代化が遅れたウチナーンチュより民主主義の進んだ国、米国の側に自分は立ちたい、というぐらいの意味だと思われるが、なんという背信的軽薄さだろうか。

元々沖縄は米国の領土で、先祖代々この列島で何千年も暮らしてきた琉球・沖縄人は部外者であるかのような彼の主張を許すわけにはいかない。我が国の安全保障についてズブの素人が、在沖米軍の言い分をそのまま容認して正当化し、地元出身の我部氏の発言を、いい加減な論理で非難している。

海兵隊は必ずしも沖縄に拠点をおく必然性がないことは、複数の研究者が専門的見地から証明済みであり、海兵隊が沖縄にいようがいまいが、我が国の抑止力に関係がないことも立証済みである。リチャード・マイヤーズ氏がなんと言おうが、海兵隊が沖縄に居続けたい本音は、思いやり予算日米地位協定、暮らしやすい住環境、等の日本政府による優遇措置、そして何よりも多くの米兵戦死者を出した沖縄戦に勝って造り上げた基地であるという、彼らにしか通用しない優越感を失いたくないからにすぎない。

日本・沖縄を防衛するために在沖米軍は駐留しているのだ、と単純に信じる又吉(ヒジャイ)の頭は中学生並みで、それだけに危険でさえある。

 

 

 

辺野古米軍基地は呪われた基地になる!

辺野古に米軍新基地は作らせない、と選挙で何度も県民の意思を示したにもかかわらず、安倍内閣は埋め立て工事を強行している。弱者には高圧的で、強者には弱腰という安倍内閣の性格がはっきりと現れている。彼らが唱える民主主義、法治主義は沖縄では建前に過ぎない。

昨日、翁長知事は岸田外務大臣に対し、12項目の要求文書を県庁において手渡した。いずれの項目も正当と言えるものだ。

1 辺野古新基地建設の断念   2 普天間飛行場の県外移設、早期返還、五年以内運用停止  3 オスプレイの配備撤回  4 日米地位協定の抜本的な見直し  5 在沖海兵隊の国外移転と嘉手納飛行場より南の施設・区域の返還  6 米軍構成員等による事件の抜本的防止対策  7 米軍演習等に伴う事故防止と安全管理の徹底  8 嘉手納飛行場普天間飛行場における航空機騒音の軽減  9 ホテル・ホテル訓練区域における操業制限解除の内容拡充、鳥島射爆撃場および久米島射爆撃場の返還  10 米軍施設・区域の有効かつ適切な跡地利用に関する必要な措置  11 日台漁業取り決めと日中漁業協定の見直し  12 尖閣諸島が日本固有の領土だとの事実の国際社会への明示、平和的外交による中国との関係改善、周辺の領海・排他的経済水域の安全確保

それに対し、岸田外務大臣はなんと答えたか。「日米地位協定は膨大な法体系なので、改正しようと思うと何年もかかる。運用改善などで対応し、個別問題で現実的な対応を取ってきたというのが政府の考えだ」

従来通りのやる気はありませんと言っているにすぎない。岸田氏よ、素直にもっとはっきり次のように言ったらどうだ。「実は、地位協定の背後には日米合同委員会というものがあって、そこで地位協定に関する具体的運用について私どもの官僚と、米軍の代表が集まって、週二回の日程で協議しております。それに対して、残念ながら口を挟む実力は、今のところ私にはないのです。」

安倍内閣において、岸田外務大臣は模範的人物だと評価されているが、なんのことはない、当たり障りのない、味もそっけもない平凡な政治家であるにすぎない。そんな岸田氏だが、次期総理の座を狙っているというから、いまの日本の政治がいかに酷いかというより絶望的であることか。嗚呼、恐ろしい!

いっぽうで、今日のタイムスは社説で、「新外交イニシアティブ」が辺野古に変わる代替案を提示したと書いている。示唆に富む、立派な内容なので、そのまま引用する。

< 社説[辺野古代替案提言]計画見直しのうねりを> 2017年2月28日
 米軍普天間飛行場辺野古移設計画について検討してきた民間のシンクタンク「新外交イニシアティブ(ND)」は27日、那覇市内でシンポジウムを開き、辺野古に代わる代替案を明らかにした。
辺野古が唯一の解決策ではない」「今こそ辺野古に代わる選択を」-シンポジウムに込められたメッセージは明瞭である。
単なる願望の表明ではなく、日米双方にとってのメリットにも配慮した具体的提言になっているのが特徴だ。日米が合意した再編計画によると、沖縄の海兵隊のうち、主力の第4海兵連隊を含む約9000人をグアム、ハワイ、オーストラリアに移すことになっており、実戦部隊で沖縄に残るのは第31海兵遠征隊(31MEU)だけになる。
31MEU(2000人規模)は、長崎県佐世保に配備されている揚陸艦に乗ってアジア太平洋地域を巡回し、非戦闘員救出や人道支援・災害救援、各国との共同訓練などに参加している。沖縄には1年の半分程度しかいない。
代替案は、海兵隊の運用を見直し、31MEUの拠点を沖縄以外に移転することによって新基地を建設することなしに普天間返還を可能にする、というアイデアだ。
海兵隊が担ってきた人道支援・災害救援の活動を自衛隊も分担し沖縄に連絡調整センターを置くことや、同活動のため日本が高速輸送船を提供する、ことなども盛り込んでいる。
提言をきっかけに議論が深まり、辺野古に代わる解決策を求める声が国内外で高まるのを期待したい。
このような提言に対しては、「海兵隊がいなくなると中国が沖縄を取りに来る」「中国に誤ったメッセージを送ることになる」との疑問や批判が直ちに起こりそうだ。
そのような指摘は検証不可能なだけに一人歩きし、ネットを通して拡散しやすいが、柳澤協二・元内閣官房副長官補が指摘する別の側面を見逃すわけにはいかない。
「米国が海兵隊を中国向けに使う、そのために辺野古が必要という誤ったメッセージのほうが、はるかに危険だ」(26日付本紙)。
日米防衛協力のための指針(ガイドライン)では尖閣を含む離島防衛は主として自衛隊が担うことになっている。 「中国の弾道ミサイルの発達で沖縄の米軍基地は脆弱(ぜいじゃく)になった」と、基地の分散化を主張するのはジョセフ・ナイ元米国防次官補である。「沖縄でなければ」という議論は成り立たなくなった。 
翁長雄志知事は、来県した岸田文雄外相に普天間飛行場の県外移設や5年以内の運用停止など12項目の要望をまとめ、文書で要請した。
辺野古移設に固執すると、今後の日米安保体制に禍根を残す」との翁長知事の指摘は、NDの提言とも基本認識で共通する。県も新たなステップを踏み出すときである。
反対を主張するだけでは建設を止められない。米世論を動かし計画見直しの機運を作り出すためには、辺野古に代わる選択肢を県が何らかの形で示す必要がある。≫

荒谷卓著 『戦う者たちへ 日本の大義と武士道』9

民主主義だ人権だ、と喚き書き散らすインテリの薄汚ない言葉よりも、武士道精神を説く「至誠館」館長、荒谷卓氏の真摯な言葉に耳を傾けられたし。

「 十一、自然の摂理に従い生きる(略)

彼らが武士道に関心を持つようになった直接的原因は、社会から「正義、倫理、道徳」といったものが失われ、人の心が荒廃しているという問題認識にある。さらにこの精神的、道徳的荒廃が、一地域や一時的な現象ではなく、世界的な現象として見られるという。

そして憂慮すべきことに、こうした問題を解決するための有効な思想が、近世以降世界をリードしてきた西欧の社会思想の中にはもはや見い出せないというのである。彼らは、このような閉塞状態にあって日本の神道や武士道の中に何らかの答えを見出そうとしている。

カトリック教徒が九十五%を占めるポーランドの武道家は、日本での三ヶ月の武道・神道研修を経たあとに、次のように述べた。「キリスト教では、道徳的にいくら努力しても、生きている間、原罪は消えない。努力が報われるのは死後である。一方で、人権思想では、神が、生きている間の幸福の追求を権利として与えている。

しかも、その幸福の追求は道徳的努力を必要とはしない。これが社会のモラルを崩壊させている。一方、日本の神道は、道徳的努力は生きている間に報われるという。この考えは素晴らしいと思う。」

繰り返しになるが、欧州では、キリスト教の布教と近代社会思想の啓蒙によって、キリスト教以前に各民族が伝えてきた知恵と精神は歴史から葬り去られた。各民族の独自の信仰や習慣など本来の民族アイデンティティーは記憶の中から失われ、今では考古学的な検証に頼らざるを得ない状況にある。

さらにその後、人間の存在と活動を、人為的に作られた秩序に閉じ込めるため、国家が統制する啓蒙により、イデオロギー的価値観の普遍化(均質化)が図られ、過去の歴史の価値は非科学的遺物として顧みられなくなった。このような人為的統制により、すべての民族が本来持っていたはずの自然と人間の関わりや知恵は、社会の記憶から取り除かれ、もはや読み物としての神話や観光地としての遺跡が残るのみである。

欧州の武道家たちが異口同音に言っていたように彼らはもはや過去に立ち返って民族の知恵に学ぶことは困難で、自然の摂理から離れた人為的価値観でしか問題解決を図れない。これに対して日本民族は、神話から歴史の連接を図り、「自然界の中の一つの存在としての人類」という考えを前提として、正しさの根源を人間を超えた自然(神々の世界)に置いた。

これにより我々は自然の一部にすぎないという謙虚な気持ちを保つことができ、自然(神々)の声を聞くことを大切にしてきた。また、先祖の魂を神々の列に置き、子孫は、先祖が為した善行を模範として、社会への貢献に勤めることを教えた。

人為的な教義を絶対視せず、自然や経験から学んだことを善し悪しの判断とする考え方は、排他的な宗教やイデオロギーに比べて、はるかに包容力があり、柔軟な問題解決の糸口を備えている。

このような自然社会文化の中で育まれた日本人の思考様式は、かろうじて日本人の慣習の中に今でも残されている。人間が、自然の一部として生かされているという日本古来の発想は、「自然との共生」「人類の家族的共存」という自然の摂理に従い生きる普遍的な考え方として、民族の垣根を越えて全世界に提案できるものと、私は信じている。」